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過去の武勇伝より新たな一ページ
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60歳からの人生を愉しむ心理学第1章 老朽化しない上手な年のと >

「老女優症候群」と同じような不適応は、もちろん男性にもあります。あなたの周りにも、過去の成功体験、手柄話を何度も繰り返す人はいないでしょうか。
「武勇伝、武勇伝!」というギャグで有名になった芸人コンビがいますが、面白おかしく人を楽しませてくれる武勇伝ならまだしも、他人の武勇伝はいつも面白いとは限りません。
しかも同じ話を何度も聞かされるとなると、辟易としてきます。しかしこういう人に限って「その話はもう何度も聞きました」などと言ったら、もっと面倒なことになります。
成功体験へのこだわりは、逆に障害になると指摘する心理学者もいます。成功したという快感が忘れられないために、現実への適応力がなくなってしまうからです。
このような人には進歩がありません。年齢に合わせた「発達」ができない。過去の武勇伝にしがみつき、常にその地点で足踏みしていますから、老年期ならではの課題に取り組むことができません。
肉体はどんどん老いていきますが、それに歩調を合わせた内面を形作っていけません。これは危ない。「老朽化への道」まっしぐらで、尊敬される「老大家」にはなれそうもありません。「昔は、こうだった」と何でもかんでも口を出してくる五七歳の部長に向かって、「いつまでもあんなのが居座っているからダメなんだ。老害だ!」と叫ぶ五六歳の課長。どちらも危険です。
過去の一ページを繰り返すより、毎日、新たな一ページを加えていく。老年期が近づいてくると、新たな一ページには、今までには想像もできなかったような出来事もたくさん起きてくるはずです。決して愉快なことばかりではありません。
若い人に「こんなことも知らないの、オジサン」とせせら笑われることもあるでしょう。そんなときも過去の武勇伝に逃げ込まず、老いてきた自分を自覚する。これこそ非常に勇気の必要な、老年期の武勇伝になっていくはずです。


日本実業出版社
「60歳からの人生を愉しむ心理学」
JLogosID : 14820744


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【辞典内Top3】

過去の栄光が忘れられない「老女優症候群」  人生の前半戦に強い人、後半戦に強い人  親友がいることが人生を幸福にしてくれる  

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【この辞典の書籍版説明】

「60歳からの人生を愉しむ心理学」渋谷昌三(目白大学教授)

多くの人が60歳からの「人生の後半戦」「定年後」に対して、ネガティブなイメージを抱きがちです。本書では「老い」に無理に抵抗することなく、「豊かに」「軽やかに」「上手に」愉しみながら年を重ねていくコツを心理学的なアプローチを中心に紹介します。

出版社: 60歳からの人生を愉しむ心理学[link]
編集: 渋谷昌三(目白大学教授)
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