あかいか
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【すし手帳】 いか・たこ >
ケンサキイカは分布範囲が広く、生育場所や季節によって体形にかなりの差がある。そのため産地や市場ではさまざまな名で呼ばれており、なかでも体形が細長い夏?秋発生群型を「あかいか」、太めの冬?春発生群型を「しろいか」と称する。それにしても同一種のいかを一方で赤(築地市場など)といい、もう一方で白(山陰地方など)と呼ぶのは、あまりといえばあまりの違いではなかろうか。
同じ科のヤリイカに似て、透明な体はほっそりと美しい。しかし「剣先」の名前どおり「槍」よりはちょっぴり太め。ちなみに干したケンサキイカは「五島するめ」「一番するめ」と呼ばれ、するめのうちでも一、二を争う高級品として知られる。
塩が味の個性を引き立たせる
あかいか(写真は式根島産)もしろいか(同山口県萩産)も、身の透明感がすばらしい。どちらも繊維に沿って包丁を入れるのは、かたさをやわらげ、甘さとうまみを増すための工夫だ。噛んだ瞬間、澄んだ湧き水を思わせる清冽さが口いっぱいに広がるあかいか。しっとりした舌ざわり、上品な甘さと独特の香気が立つしろいか。それぞれの味を楽しむには、まずは塩で。
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【この辞典の書籍版説明】
「すし手帳」坂本一男 |
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