ミノムシ
【みのむし】
【雑学大全2】 生物の不思議 > 昆虫
蓑を着て枝からブラブラとぶら下がっているミノムシ。ミノムシは蛾の幼虫で、一般的に見られるのはオオミノガやケヤミノガ、ミノガといった蛾のミノムシ。なかでもオオミノガのミノムシは、日本で最も大きいものである。オオミノガのメスは、蛾とはいえ、翅(つばさ)や脚がすっかり退化してしまっているため、羽化してもウジムシのような形をしており、ミノの外へ出ることができない。つまり、幼虫時代のみならず一生をミノのなかで過ごさなくてはならないのだ。そこで困るのが婿探し。ミノのなかでただじっとしていてもオスと出会うことはできず、つまり卵を産むことができない。そのためメスの成虫は、ミノのなかにいながらにしてオスをおびきよせるためフェロモンを出すのである。ミノの下から頭と胸の部分を少し出し、その胸からオスを誘惑する性フェロモンを放出するという。一般的な蛾は、この性フェロモンを腹部末端から出すことが多く、オオミノガをはじめミノガの仲間のように胸部から出すことは珍しいそうだ。フェロモンに引き寄せられたオスがミノにやってくると、オスは腹部のみをメスのミノのなかに入れ、手探りならぬ腹探りで交尾器を探し当て交尾をおこなう。フェロモンのおかげでオスと出会ったメスは、ミノのなかに一〇〇〇?四〇〇〇個の卵を産みつけた後、死をむかえる。孵化した幼虫は糸を吐き出しながらミノから出て、風にのって分散し、新しい住処へとたどりつくことになる。幼虫はミノのなかで冬を過ごした後、四月?六月にそのままミノのなかで蛹(さなぎ)となり、五月下旬?八月に羽化する。そしてメスはフェロモンを出してオスを誘い、それに誘われたオスがメスのミノを訪ね……と繰り返すのである。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全2」東京雑学研究会 |
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浜の真砂は尽きるとも,世に雑学の種は尽きまじ。新たな1000項目で帰ってきた,知的好奇心をそそる雑学の集大成第2弾。 |
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