ポパイ
【ぽぱい】
【雑学大全2】 そーだったんだ! > フィクション
アメリカの人気漫画『ポパイ』では、主人公のポパイが悪者と戦う前に必ずホウレン草の缶詰を食べる。すると不思議なことにモリモリと力が湧いてきて、すぐにパワーアップする。ところが意外なことに、この漫画が最初に登場したときには、ポパイは主人公ではなく、ホウレン草も食べていなかった。ポパイはあくまで脇役で、相棒が投げたキャベツを食べたところ怪力が出たという設定だったのだ。その後、ポパイのキャラクターは子どもたちに人気となり、ポパイは主人公へと変わっていった。一九三三年には短編アニメ映画シリーズにもなり、ますますメジャーになった。それにつれて問題になったのが、ポパイのパワーの源のキャベツ。敵と戦うというのに、相棒はわざわざ一個玉のキャベツをいつも持参しているのかと疑問視された。そこで、携帯に便利でどこにでもあるものといった条件から、ホウレン草の缶詰に変更になったのである。ちなみに、ポパイのホウレン草の缶詰エピソードには、もう一つ興味深いものがある。キャベツにしてもホウレン草にしても、ポパイのパワーの源は野菜だ。肉食がメインの西欧の文化圏にしては意外ではないだろうか。これは古代ギリシアの哲学者ソクラテスの思想によるものだという。ソクラテスは、肉を得るために人は戦い動物を殺すから、菜食主義を貫けば闘争本能が抑制されるとして、菜食主義を掲げたのだ。しかし、世間ではなかなかこの思想が浸透しなかったため、全米菜食家協会では、主人公のパワーアップに野菜を使って広報してはどうかとの意見が出た。そこから生まれたのが、ポパイの野菜によるパワーアップだったのである。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全2」東京雑学研究会 |
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浜の真砂は尽きるとも,世に雑学の種は尽きまじ。新たな1000項目で帰ってきた,知的好奇心をそそる雑学の集大成第2弾。 |
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