ヘレン・ケラー
【へれんけらー】
【雑学大全2】 ヒトの不思議 > 人物
ヘレン・ケラーは、幼時に盲聾唖者(耳が聞こえず言語を発声できない)となったが、その障害を乗り越え、福祉事業家や著述家となる。幼少期は周囲との意思の疎通も不能だったが、六歳のときに家庭教師となったアン・サリバンが、ヘレンに言葉を教えようと苦心した。ある日、サリバンはヘレンを散歩に連れていったとき、彼女の手を井戸の口に持っていき、冷たい水の流れに触れたところで、もう一方の手に指で「WATER」と書いた。そのとたん、ヘレンはそれが自分の手にかかる冷たいものの名前だと理解した。これが契機でヘレンは向学心にめざめ、苦学と努力によりハーバード大学の付属女子大学ラドクリフ・カレッジに進学。フランス語やドイツ語、歴史、政治、経済学などを学んで、優秀な成績で卒業した。ヘレンとサリバンの交流は、ヘレンの幼い頃だけにとどまらず、サリバンが死去するまで約五〇年にわたって続いた。ラドクリフ・カレッジ時代にも、毎日サリバンが一緒に授業を受け、先生のいうことを指文字でヘレンに伝えたり、教科書や参考書を点字に訳したりした。二人の交流が続くなか、サリバンは愛する男性にめぐりあって結婚し、ヘレンにも駈け落ちを考えるほど愛する恋人ができた。しかし、ヘレンとサリバンが一心同体といっていいほど親密なので、サリバンの夫もヘレンの恋人も、二人の間には入れなかったという。夫や恋人としては、やはり愛する女性にとって自分がいちばんの理解者、最も大切な人となりたいのが自然な心理だろう。愛する女性に自分よりもっと強い絆で結ばれた相手がいるというのは、いかにそれが恋愛の絆でなくても、夫や恋人としてはつらいものがある。妻と人生のパートナーになれないことに疲れたのか、サリバンの夫は去っていき、ヘレンの恋人も身を引いたという。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全2」東京雑学研究会 |
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浜の真砂は尽きるとも,世に雑学の種は尽きまじ。新たな1000項目で帰ってきた,知的好奇心をそそる雑学の集大成第2弾。 |
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