ビール瓶
【びーるびん】
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店頭で、ビールを瓶で買うのと缶で買うのとどっちが安いのだろうと迷うことがあるが、手元に電卓でもないと計算するのが面倒になって、「まっいいか」となってしまいがちだ。その理由は、大瓶の容量が六三三ミリリットルで、なんとも中途半端な数だからである。中瓶は五〇〇ミリリットルなので切りがいいのだが、どうしてこういうことになったのだろう。その理由は、明治初期までさかのぼる。その頃日本で飲まれるようになったビールは、イギリスなど外国からの輸入品だ。輸入先の国それぞれで単位も違うし、大瓶の容量は統一されず、そのままになっていた。その後、昭和初期になって国産のビールがつくられるようになるが、そのとき、ビール瓶も各社それぞれ輸入ビールを真似てつくったので、大きさの違うビール瓶で売られたのだ。ところが、第二次世界大戦中、戦費調達のためにビールに課税されるようになった。このとき、大瓶の内容量を共通にさせないと、会社によって一本当たりの税金も違ってしまうので徴収が複雑になってしまう。そこで、政府が大瓶の容量の規格を統一することに決めたのだ。さっそく各社から集めた瓶の容量を比べたところ、最も大きな瓶の内容量は六四三ミリリットルで、最も小さい瓶の内容量が六三三ミリリットルであった。そこで、容量が少ない六三三ミリリットルの瓶を規格にすれば、それより容量の大きい瓶も使えるということになった。つまり、瓶をつくり直すにはコストがかかりすぎるため、必然的に少ないほうの瓶の容量を大瓶の規格とすることになったというわけである。その名誉ある大瓶規格の主は、大日本麦酒株式会社(現在は分割されアサヒビールとサッポロホールディングス)。目黒工場でつくっていたものだそうだ。ちなみの小瓶の三三四ミリリットルも、大瓶と同じ理由。最も小さい容量の瓶に合わせたために、中途半端な数字になってしまった。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全2」東京雑学研究会 |
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浜の真砂は尽きるとも,世に雑学の種は尽きまじ。新たな1000項目で帰ってきた,知的好奇心をそそる雑学の集大成第2弾。 |
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