ハゲワシ
【はげわし】
【雑学大全2】 生物の不思議 > 鳥類
アフリカのサバンナで、ライオンやチーターが食べ残した草食動物たちの死骸に、ハゲワシの群れがいっせいに飛びつく。荒涼としたサバンナではよくある風景だが、ハゲワシのその姿は、まさに年老いた人の頭のように頭頂部だけに毛(羽)がない。死肉をあさるということだけでも怖いのに、その外見で骨と骨の間のわずかな肉をつつく姿は、実におどろおどろしい。だが、ハゲワシも好きで禿げているわけではない。ちゃんとした理由があるのだ。もちろん男性ホルモンが多いわけでも、脱毛してしまったわけでもない。禿げた頭は自分の身を護るための知恵なのである。灼熱のサバンナ、ハゲワシが死肉にありつくのは、ライオンの食べ残しを、ほかの小動物があさった後であり、死体はかなり腐敗が進んだ状態となっている。臭いも相当なものだろうが、それよりも腐った肉汁が病原菌などを含んでいればかなり危険な状態である。そこで、ハゲワシは、少しでもハゲワシ自身の肉体にその病原菌たっぷりの肉汁などが付着するのを防ぐために、進化して毛が生えなくなったのだと考えられている。ハゲワシが死肉をあさるとき、どうしても頭を骨の周りに突っ込んで、残った肉をついばむことになる。そのため、通常の鳥のように頭部や顔面が毛に覆われていては、毛にたっぷりと病原菌がついてしまう。そのため、ハゲワシの頭は、小さな肉をついばみやすいようにコンパクトに、病原菌がつかないように禿げているというわけだ。さらに、のど元に大きなこぶのようなものがついているのだが、こちらも腐った肉が体につくのを防ぐためのこぶで、ハゲワシが頭を下げると、そのこぶも下がってのどや胸のあたりの毛に腐った肉片がつくのを防いでくれるしくみになっている。
data-ad-slot値が不明なので広告を表示できません。
【関連コンテンツ】
広告を表示できません。
【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全2」東京雑学研究会 |
|
浜の真砂は尽きるとも,世に雑学の種は尽きまじ。新たな1000項目で帰ってきた,知的好奇心をそそる雑学の集大成第2弾。 |
|
出版社:
雑学大全2[link] |