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ハイジャック
【はいじゃっく】

雑学大全2社会 > 事件

日本人に「ハイジャック」という言葉が知られるようになったのは、一九七〇(昭和四五)年に起きた、赤軍派による日航機「よど号」乗っ取り事件がきっかけだ。海外においては、イギリスのザ・タイムズ紙が一九五八(昭和三三)年二月一九日付紙面で、航空機乗っ取り事件に「ハイジャック」という呼び方を使ったのが最初だという。しかし、もともと「ハイジャック」という言葉はアメリカで生まれた。一九一九(昭和八)年、アメリカでは禁酒法が成立したが、アルコール類の密輸入や密造がやむことはなかった。さらに上をいくワルもいて、運搬中の酒を強奪する行為も後を絶たなかった。その強奪犯が、アルコールを運ぶトラックを止めるのに使ったのが、「ハーイ! ジャック」という、ヒッチハイクに見せかけた呼びかけの言葉だった。「ジャック」というのは、アメリカでは最も一般的な男性の名の一つである。こうして、「ハーイ! ジャック」が「ハイジャック」となり、横取りや追いはぎ行為をさす言葉となった。ザ・タイムズ紙は、飛行機の乗っ取りを密造酒の強奪行為に見立てて用いたのだった。ところが日本では、呼びかけの「Hi」が、高い空を飛ぶ飛行機と結びついて「High」と混同され、飛行機の乗っ取りだけをさす言葉として理解された。だから、その後に起きた乗り物の乗っ取り事件では、シージャック、バスジャックなどという言葉がつくられたのだ。もちろん英語では、どんな乗り物でも「ハイジャックである。なお、「ハイジャック」の語源は、これ以外にも諸説ある。


東京書籍
「雑学大全2」
JLogosID : 14820744


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編集: 東京雑学研究会
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発売日: 2004年8月
ISBN: 978-4487801305