ドボルザーク
【どぼるざーく】
【雑学大全2】 趣味 > 音楽
チェコ生まれの作曲家ドボルザークは、苦学してプラハのオルガン学校を卒業する。卒業後は、ヴィオラ奏者として交響楽団で演奏するかたわら曲を書きはじめ、一八七二年に発表した混声合唱と管弦楽のための愛国的な賛歌で新進作曲家としての地位を手に入れた。以降、ドボルザークは大作曲家への道を進む。祖国チェコの民俗音楽の旋律やリズムに根ざした器楽曲が多く、代表作となった「交響曲第九番」もその延長線上にある。「交響曲第九番」は、「新世界より」の副題があるように、一八九二?九五年に、ニューヨーク・ナショナル音楽院院長に招かれてアメリカに滞在したときに作曲したもので、チェコの民俗音楽とアメリカの黒人霊歌の語法がない交ぜになった、親しみやすい名曲として名高い。ところで、チェコというヨーロッパ内陸部の大地を彷彿とさせる雄大な旋律や、わき上がってくるリズムが心を打つドボルザークの曲だが、彼自身のハートを揺さぶり、ときめかせていたのは、「SL」だった。ドボルザークの鉄道ファンぶりは徹底している。プラハに住んでいるときの下宿は駅からほど近い場所にあり、気分転換もかねて毎日のようにプラハ市内の駅を訪れては観察に余念がなかったという。アメリカ滞在中も毎日駅に出かけては特急列車の車両番号を控えていた。自分が駅を訪れられないときは、代わりに弟子を行かせたというのだから、かなりのマニアといえる。この趣味は、渡米によってさらに幅を広げた。同じ蒸気機関で動く乗り物である蒸気船にも興味を示し、港で蒸気船を見学する趣味も加わるのである。弟子の回顧談によれば、港に停泊中の船はすべて訪問し、船長にあれこれ質問して乗組員たちとも会話を交わし、すべての船と船長、乗組員の名前をたちまち覚えてしまったという。
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「雑学大全2」東京雑学研究会 |
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浜の真砂は尽きるとも,世に雑学の種は尽きまじ。新たな1000項目で帰ってきた,知的好奇心をそそる雑学の集大成第2弾。 |
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