醍醐味
【だいごみ】
【雑学大全2】 生活 > コトバ
「醍醐味」という言葉は、「ものごとの本当のおもしろさ、神髄を知る」という意味で使われているが、本来はいったいどんな味なのだろうか。実は、「醍醐味」は仏教用語で、サンスクリット語「sarpir-manda(サルピル・マンダ)」の漢訳である。意味は、「最上級の味を持つ乳製品」である。仏教では、乳を精製して最高の乳をつくる過程の五段階を「五味」という。第一段階が「乳味」、第二段階が「酪味」、第三段階が「生蘇味」、第四段階が「熟蘇味」、そして第五段階が「醍醐味」なのである。「醍醐味」は濃厚な甘味のおいしさで、諸病を取り除き人の心を安楽にする薬としても用いられた。この「醍醐」は、インドから中国に伝わり、日本へは朝鮮半島からの渡来人が七世紀中頃に伝えたという。また、醍醐は最高の味であることから、仏陀の最上の教法にたとえられている。天台教学では、釈迦が法を説いた時期を「五時」という。「華厳時」「阿含時」「方等時」「般若時」「法華涅槃時」であるが、その第五段階にある法華涅槃時を最上の仏法として「醍醐味」と呼んでいる。これらのことが転じて、醍醐味は本当のおもしろさや神髄を知るといった意味になった。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全2」東京雑学研究会 |
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浜の真砂は尽きるとも,世に雑学の種は尽きまじ。新たな1000項目で帰ってきた,知的好奇心をそそる雑学の集大成第2弾。 |
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