シューベルト①
【しゅーべると】
【雑学大全2】 趣味 > 音楽
シューベルトの「未完成」交響曲といえば、クラシックに詳しくない人でも一度は聞いたことがあるくらいの名曲だ。交響曲は通常第四楽章まであるはずなのに、この曲は第二楽章までしかないため、「未完成」交響曲と呼ばれているが、ではなぜ未完成となったのだろうか。研究者の間でもいろいろな説が出ているが、おもなものを紹介すると、だいたい四つに分けられる。一つめは、一、二楽章があまりにもうまく書けたので、三、四楽章はあえて必要がないと考えたという説。二つめは、四分の三拍子の第一楽章と八分の三拍子の第二楽章と続いた後に、第三楽章に当時の交響曲の原則である三拍子系のメヌエットをもってくるのは違和感があるのでやめたという説。三つめは、思いを寄せていたエステルハーツィ家の令嬢カロリーネに失恋したため、その後を続ける気力が失せたという説。四つめは、同時期に活躍していた作曲家ベートーベンの曲を聞いて、自分の才能に疑問を感じ、その後が書けなくなったという説である。ところで、この楽曲はシューベルトの死後三七年も経ってから友人のアンセルム・ヒュッテンブレンナーのところから出てきたものである。この曲はもともとヒュッテンブレンナーがシューベルトを音楽協会の名誉会員に推薦したお礼として作曲されたものだったそうだが、二楽章分しか送られてこなかったため、残りの楽章が届くのを待っているうちに、すっかりその存在を忘れてしまったらしい。ちなみに、この曲は正式には「交響曲第七番ロ短調D759」という名前で、いまから数十年前までは、この交響曲は第八番と呼ばれていた。シューベルトの死後発見された「ザ・グレイト」「未完成交響曲」「ピアノ譜だけの交響曲ホ長調」は、順番に七番、八番、九番とされたが、後に作曲順が「ホ長調」「未完成」「ザ・グレイト」だったことがわかり、さらに「国際シューベルト協会」がピアノ譜だけの「ホ長調」は交響曲としては認められないとして除外したため、「未完成」が七番、「ザ・グレイト」が八番となったのである。
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「雑学大全2」東京雑学研究会 |
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浜の真砂は尽きるとも,世に雑学の種は尽きまじ。新たな1000項目で帰ってきた,知的好奇心をそそる雑学の集大成第2弾。 |
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