サラダ味
【さらだあじ】
【雑学大全2】 生活 > 食べ物
せんべいや菓子の味表示に多い「サラダ味」。これを野菜サラダの味だから、もしくは野菜の成分が含まれているからと思っている人も少なくないのではないだろうか。せんべいやおかきで有名な亀田製菓によると、せんべいのサラダ味と野菜サラダはまったく何の関係もないという。亀田製菓の場合、サラダ味の「サラダ」は「サラダ油」のことである。一九六〇年代、サラダ油がまだ高価だった当時に、それを絡めて塩をまぶしたモダンなせんべいがつくられた。せんべいは普通、米を粉にしてふかし、それを伸ばしたものを型で抜いて乾燥させ、焼いて味付けをするが、その味付けのときに、サラダ油と塩を混ぜたものを塗るのだ。サラダ味せんべいの第一号は、一九六一(昭和三六)年発売の「サラダホープ」という米菓といわれているが、「塩味」とするよりは「サラダ味」とするほうがおしゃれで、当時はサラダ油が高級品のイメージがあったため、そのようなネーミングになったらしい。では、「サラダ油」のほうは野菜サラダと関係があるのだろうか。一九二四(大正一三)年に日本で最初に「日清サラダ油」という名前でサラダ油を販売した日清製油(現・日清オイリオ)によると、当時西洋では、塩や酢を加えた食用油をいまでいうドレッシングのように野菜サラダなどの料理に使っていたので、「生で召し上がれる精製の度合いの高い良質の食用油」という意味で「サラダ油」と名づけたようだ。実際、JAS規格では、「摂氏〇度で五時間以上置いても、油が澄んだままの状態である」という基準に合格したものでなければ「サラダ油」と呼ぶことはできない。ドレッシングは冷たい状態で使うので、「サラダにでも使える油」というところからきていると考えて間違いないようだ。なお、JAS規格では、大豆、菜種、綿実、ごま、紅花(サフラワー)、ひまわり(サンフラワー)、とうもろこし(コーン)、米、落花生を原料としたものだけにサラダ油を名乗る資格がある。一般的には大豆と菜種を混ぜたものが多いが、大豆だけのもの、菜種だけのもの、コーンだけのもの、紅花だけのものなどもある。もちろん冷却実験に合格したものでなければならない。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全2」東京雑学研究会 |
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浜の真砂は尽きるとも,世に雑学の種は尽きまじ。新たな1000項目で帰ってきた,知的好奇心をそそる雑学の集大成第2弾。 |
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