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金庫
【きんこ】

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耐熱金庫の寿命は二〇年というのが常識らしい。一見、鉄の塊によってがっちり守られているから、有効耐用年数は半永久だろうと思いがちだが、意外ときっちりとした「寿命」が定められている。耐火金庫の耐久性は日本工業規格(JIS)が定めた基準に基づいて決められる。炉内で〇・五?四時間加熱する耐火試験の結果、「一般紙用金庫」は、金庫内の最高温度が一七七度以下で、なかの新聞紙が判読できること。「磁気テープ用」は、最高温度が六六度以下、内部湿度八五パーセント以下。「フロッピーディスク用」は、最高温度が五二度以下、内部湿度八〇パーセント以下であることが合格の基準となる。さらに九・一メートルの高さから落下させた後に再び加熱する試験も併用される。以上のように厳しい審査を通過してきた耐火金庫。それなのに寿命年数があるとはいったいどういうわけか。その理由は耐火金庫の構造にあった。耐火金庫の内側と外側の鋼板の間には、発泡コンクリート、耐火材(珪藻土と石膏を混ぜたもの)が詰め込まれている。この発砲コンクリートのなかはたくさんの穴があいていて、そこにはたくさんの水分を含んでいる。つまり、耐火金庫内には水分が隠されていたのだ。火災が起こり、金庫の外の温度が上昇すると、発泡コンクリートに含まれている水分が気化し、この気化熱で金庫内の温度を下げると同時に、気化した水分が扉の隙間から金庫外に噴出するために、炎の侵入を防ぐというしくみになっている。よって、耐火金庫は厚い鉄によってのみ守られているだけではなく、水分によっても守られているのである。しかし、ここで一つ弱点がある。水分は蒸発するのだ。発泡コンクリート内の水分は時を経て少しずつ自然気化し、約二〇年で四〇パーセントの水分が失われてしまうという。これでは、いざというときに本来の役割を果たすことができない、単なる大きな鉄の塊と化してしまうのだ。


東京書籍
「雑学大全2」
JLogosID : 14820744


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編集: 東京雑学研究会
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