ウニ
【うに】
【雑学大全2】 生物の不思議 > 魚類
海の高級珍味といえば、あの美しいオレンジ色のウニだろう。人間の体とは似ても似つかない形状をしているウニだが、私たちと非常に近い遺伝子を持っているということが、最近わかってきた。外見で判断すると、手足のようなものがあったり、目や口、胴体などがある昆虫のほうがまだ私たちに近いように思えるのだが、ハエや線虫よりも、遺伝子レベルでは、ウニのほうが私たちにより近いものを持っているという。このほど、二〇〇六年に欧米の研究チームがムラサキウニの全遺伝情報(ゲノム)の解読に成功した。同報告によると、遺伝子の七〇パーセントが人と共通していたという。人は、チンパンジーとは九九パーセントが共通していて、ハエとは四〇パーセント程度。ウニは七割だから、昆虫類より人間に「近い」存在といえる。遺伝子数も二万三〇〇〇個で、人の数とほぼ同じだったという。ウニのゲノム自体の大きさをあらわす塩基数は、八億一四〇〇万対で人の四分の一程度になるが、病原体を認識するように働く遺伝子は人の二〇倍。この病原体に対するウニのしくみは、人の感染予防のしくみや解明にも役立てられる可能性が高いという。もともとウニは、生物の発生過程を調べる実験などによく利用されているが、今回のゲノムの解明で、進化の過程で遺伝子がどのように変化していったのかを分析する手がかりになるだろうと周囲の評価は高い。病原体を認識する遺伝子も、うまく研究を進めれば、人類がこれまで完治困難としてきた病気の予防や感染防御に役立つ効果が得られるかもしれない。なお、ウニと私たちの祖先は、五億二〇〇〇万年前に分かれたと推測されている。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全2」東京雑学研究会 |
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浜の真砂は尽きるとも,世に雑学の種は尽きまじ。新たな1000項目で帰ってきた,知的好奇心をそそる雑学の集大成第2弾。 |
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