▼漁は数あれど、すべて商売抜き
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【旬のうまい魚を知る本】 >
ケムシカジカを食べたくなると、ぼくは宮城県鳴瀬町月浜にある民宿「千鳥荘」を訪ねる。主人であり、漁師でもある鈴木一男さんのケムシカジカ(ここではボッケ)漁の話が楽しい。
「ここの漁師はボッケが大好きだ。普段は水深50~200メートルの深海に棲んでいるけれど、11月には産卵のため浅瀬にやってくる。そうすると、ほとんどの漁師がボッケ網の船を出すんだ。普段は網をかけない漁師さえ網をかけるほどだ。これはみんな商売抜き。自分や家族が食べるためだけに出漁する。おれもそうだけどね」
月浜のボッケ漁は、網以外にもいろいろある。小船から箱眼鏡で海底をのぞいて、ヤスで突いて獲る突きボッケ漁、箱眼鏡を使わずに船からいきあたりばったりにヤスで海底を突くめっぽう突き漁、素手でつかまえる素潜り漁もある。大好物のケムシカジカを食べるために、漁師はあらゆる手を使う。
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【この辞典の書籍版説明】
「旬のうまい魚を知る本」東京書籍 |
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季節別旬魚の解説,全国地域別旬魚カレンダー,代表的漁港マップに加え,魚の構造や通の食べ方などのコラムも充実。鮨屋,レストランなどで魚を語れる人になるためのバイブル。 |
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出版社:
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