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▼イサキ料理は水なますに尽きる
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旬のうまい魚を知る本 >

イサキは定置網や刺網、釣りで漁獲され、また遊漁船の格好の対象でもある。千葉県富浦町の沖合には大型のイサキが多く生息し、漁師も釣人も一本釣りでこの魚を狙っている。ぼくもこの好漁場でイサキ釣りに興じるのが楽しみで、幾度となく乗合船に乗り込んだ。またここではイサキの漁師料理をいくつか教えてもらった。塩焼き煮付け、から揚げ、吸い物ムニエルなど、イサキどんな料理にも向く。それでも房総の漁師がよく作る水なますのうまさには、古今東西のどのイサキ料理もかなわないとぼくは断言したい。
某日、イサキ釣りを終えて船宿で一休みしていると、目の前にポンと見なれぬ料理が置かれた。氷水に魚のミンチが浮かんでいる。生臭いだろうなあと思って、食べるのを躊躇していると、それを察した船頭が「まずは食べてみろや」。こわごわ試食してみると、なんとも清涼な味わいで、生臭いどころか口の中がさっぱりする。あっという間にどんぶり一杯をたいらげてしまったぼくを見て、船頭はしてやったりとニヤリ。生魚と冷たい水とを取り合わせる料理なんて、世界のどこにもないにちがいない。傑作料理を生みだした房総の漁師の知恵に、つくづく感服した。その料理が水なますだ。


東京書籍
「旬のうまい魚を知る本」
JLogosID : 14820744


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【辞典内Top3】

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【この辞典の書籍版説明】

「旬のうまい魚を知る本」東京書籍

季節別旬魚の解説,全国地域別旬魚カレンダー,代表的漁港マップに加え,魚の構造や通の食べ方などのコラムも充実。鮨屋,レストランなどで魚を語れる人になるためのバイブル。

出版社: 旬のうまい魚を知る本[link]
編集: 東京書籍
価格:1836
収録数: 650匹232
サイズ: 18.6x13x2cm
発売日: 2002年8月
ISBN: 978-4487797776