▼平郡島ではマダコをダンベに生かす
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【旬のうまい魚を知る本】 >
日本周辺のマダコは北海道以南から東シナ海に生息する。なかでも味に定評があるのが、柳井市(山口県)の沖合に浮かぶ平郡(へいぐん)島に水揚げされるマダコ。周囲31平方キロ、人口755人の小さな島の沖合は周防(すおう)瀬戸である。複雑な地形の海底にはエサになる生物が多く、また水深や潮流の関係で夏涼しく冬暖かいことから、マダコの格好の生息地になっている。ここで漁獲されるマダコは「周防瀬戸ダコ」と名付けられ、主にタコ好きの多い京阪神に出荷されている。
周防瀬戸ダコが味のうるさ方に引っ張りだこの理由を、平郡島のタコ壺漁師はこう説明する。「自然条件がマダコに適しているだけではないですよ。すべてタコ壺で漁獲して、船の生簀に生かしたまま持ち帰り、それをダンベに生かしておいて、それから市場へ出荷しているのも味のよさにつながっているんです」。ほかでは漁獲したあとのマダコを網に入れて海中で生かしておく。ここではダンベと呼ぶ木製の大きな箱に入れておく。網の生簀ではスレが生じてマダコの質が落ちるが、大きなダンベを使えばその心配がないというわけだ。そのため平郡島産は、他産地のマダコよりも1割方高く取引される。
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【この辞典の書籍版説明】
「旬のうまい魚を知る本」東京書籍 |
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季節別旬魚の解説,全国地域別旬魚カレンダー,代表的漁港マップに加え,魚の構造や通の食べ方などのコラムも充実。鮨屋,レストランなどで魚を語れる人になるためのバイブル。 |
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