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くさや
【東京雑学研究会編】

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日本の臭い食べ物の代表といえば「くさやだろう。大島、八丈島など伊豆諸島伝統の味で、ムロアジトビウオを独特の塩汁に漬け込み、乾燥させた発酵食品だ。
焼くのを禁止している集合住宅もあるほどの匂いだが、好きな人にはそれがたまらないのだという。ほかにも、琵琶湖のフナずしなど、匂いが気になる発酵食品は慣れるとおいしいと感じるもののようだ
ところが、発酵食品を研究している東京農業大学の小泉武夫教授によれば、世界で最も強烈な臭みを持つ食品のランキングを作ると、焼き立てのくさやでさえ第五位。第一位には、スウェーデンの魚の発酵物、シュールストレンミングがランクされるという。
教授の個人的な印象だけでなく、機械を使った分析でも第一位だった。半導体高分子膜で作った人工鼻のセンサーで臭気を測定する「アラバスター」の測定で、開缶直後のシュールストレンミングは八〇七〇Au(アラバスター単位)を記録したという。
二位は韓国のエイ料理、ホンオ・フエの六二三〇Au。焼き立てのくさやは一二六七Au、納豆は三六三Auだ。
シュールストレンミングの匂いを言葉で表現すると、フナずしとくさやの匂いと、ダイコンのぬか漬けの古くなった匂いにニンニクの腐った匂いが混じったようなすさまじさ、ということになるらしい
シュールストレンミングは、原料のニシンに少量の塩を加え、主に乳酸菌を使って特殊な方法で発酵させる。まず大きな容器で発酵させて、発酵が盛んになったところで、缶詰にして密閉するのだ。
空気がほとんどない環境で、嫌気性の特異な経路での発酵が進む。そうすることによって、プロピオン酸、吉草酸、酪酸、カプロン酸といった強烈な臭みの物質が生み出され、これに魚成分から分解するアンモニア、揮発性アミン、硫化水素、メルカプタン類などが加わって、この世のものとは思えない匂いを形成する。
味は、酸味と塩味にうまみがからみあって濃厚で、魚肉の内部に溶け込んだ炭酸ガスが舌にぴりぴりして絶品という。あとは食べる勇気を持つのみだ。


東京書籍
「雑学大全」
JLogosID : 14820744


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編集: 東京雑学研究会
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発売日: 2004年8月
ISBN: 978-4487799473