ブルゴーニュの基礎知識
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【ワイン手帳】 フランス > ブルゴーニュ
世界に名だたる銘醸地として、その地位は揺るぎない。赤はおもにピノ・ノワール、白はシャルドネによる単一品種で醸造される。しかし地域内は成分の異なる土壌が連なり、フランス革命後の農地改革で畑の所有者も細分化されているため、同品種、同畑でも生産者により味わいは多種多様である。
おもな産地
【シャブリ】
北端地区。貝殻石灰岩の土壌で栽培されるシャルドネ種から、さわやかで繊細、酸味の強いきりっとした白ワインを産出する。
【コート ド ニュイ】
高級赤ワインの銘醸地区。ロマネ コンティがあるヴォーヌ ロマネなど、特級畑を持つワイン村が鈴なりに続く。
◆おもな村名ワイン
マルサネ、ジュヴレ シャンベルタン、モレ サン ドニ、シャンボール ミュジニー、ヴージョ、ヴォーヌ ロマネ、ニュイ サン ジョルジュ
【コート ド ボーヌ】
モンラッシェやムルソーなど、シャルドネからつくられる辛口の高級白ワインが有名な地区。ポマールやヴォルネイ村では赤がつくられる。
◆おもな村名ワイン
アロース コルトン、ボーヌ、ポマール、ヴォルネイ、ムルソー、ピュリニー モンラッシェ、シャサーニュ モンラッシェ
【マコネ】
シャルドネを主体とした白の生産地区。マコン ヴィラージュや、プイィ フュイッセはとくに有名。
【ボージョレ】
ボージョレ ヌーヴォで有名な当地区は、新酒だけでなく、ガメイ種の個性をいかした多彩な味わいの赤が生産されている。
格付け
■ブルゴーニュは「畑」に対して格付けされる
ブルゴーニュの格付けはボルドーとは根本的に仕組みが違う。ボルドーは格付けに生産地域とシャトー(生産者)の2つの基準があるのに対して、ブルゴーニュはただひとつ「畑」で決まる。AOCの階層は下から順に地方名⇒地区名⇒村名⇒畑名の4層からなり、畑名はさらに1級畑と特級畑に細分化される。地区名より村名、村名より特級畑(1級畑)というようにAOC名が狭くなるほど、地域らしさが明確に表現される格上のワインと評価される。
本書で紹介しているワインはロマネ コンティを除き、代表的な村名クラスに絞っている。ただし同じ村名のワインでも生産者が違うと味わいも値段もかなり違ってくるので、AOC名と合わせて、造り手の情報も知っておくと品選びがスムーズに進む。
■村名と畑名が紛らわしいワインも
ブルゴーニュではAOC村名とその村内にあるAOC畑名が紛らわしいことがある。例えばジュヴレ シャンベルタン(村名)と、その村内にあるシャンベルタン(特級畑)。前者は、村名の「ジュヴレ シャンベルタン」がラベルに記される。一方、後者は特級畑クラスなので、ラベルに村名は不要、畑名のみの記載となるので「シャンベルタン」と記される。格は当然、後者が上なのだが、それを知らずにラベルをみると、ジュヴレとついているワインのほうが格上のような気がしたり、同じ分類のワインのように勘違いしてしまう可能性もある。「モンラッシェ」(特級畑名)と「シャサーニュ モンラッシェ」(村名)などについても同様だ。ワインに詳しい人や業界の人にとっては当たり前すぎることのようだが、実際は勘違いしやすい。くれぐれもジュヴレ シャンベルタンを飲んで「シャンベルタンを飲んだ」とはいわないように。
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【この辞典の書籍版説明】
「ワイン手帳」熊野 裕子 |
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産地別の構成で、各産地の基礎知識をはじめ、スタンダードな銘柄の品種、ボリューム感、甘辛度、価格の目安がひと目でわかるほか、それぞれの銘柄の特長を解説します。 |
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