外国との友好提携
【がいこくとのゆうこうていけい】
【道と路がわかる事典】 4章 道の由来と文化 >
都市と都市が姉妹提携を結び、交流を深めていることはよく知られているが、外国の道路と姉妹提携を結んでいる道路が日本にある。しかも相手は、あの有名なシャンゼリゼ通りなのである。シャンゼリゼ通りは、フランスの首都パリの中心街にある大通りで、シャルル・ドゴール広場の凱旋門からコンコルド広場に至る一・八km余りの道路だ。通りに面して、カフェ、レストラン、ホテル、劇場などが建ち並び、芝生や庭園に囲まれた緑豊かな公園通りである。このシャンゼリゼに似た通りが、日本にもある。名古屋市の中心街を南北に貫いている久屋大通だ。
久屋大通の中央にはテレビ塔がそびえ、噴水や花時計、彫刻、庭園、それに樹木も茂る緑地帯になっており、都心のオアシスとして市民から親しまれている。また、道路の両側にはデパートや専門店などが建ち並び、道路の下は大地下街である。シャンゼリゼと共通点も多いことから、平成元年、名古屋中央大通連合発展会とシャンゼリゼ委員会との間で友好提携が結ばれた。日本の繁華街の代名詞にもなっている東京の銀座が、何年か前に、シャンゼリゼ委員会に姉妹提携を申し込んだが、あっさり断られたという経緯があるだけに、久屋大通は名古屋のシンボルロードとして、市民の誇りになっている。
ところでこの久屋大通、道路幅の広さにおいては日本一なのである。平均幅員が一一二・二mもあり、久屋大通と直角に交わる若宮大通(一〇〇m)や、札幌の大通公園(一〇五m)よりも広いのだ。久屋大通は、戦争で焼き尽くされた名古屋の中心部に、都市計画の一環として建設された街路で、防火が最大の目的だった。建設当初は、飛行機の滑走路ができると騒ぎ立てた人も少なくなかったという。
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【この辞典の書籍版説明】
「道と路がわかる事典」浅井 建爾 |
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道を切り口に日本を旅する楽しみに出会う本。身の回りの生活道路の不思議から、古道の歴史、国道や高速道路、橋やトンネル、乗り物まで道と路に関する知識が満載。 |
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