都市高速道路
【としこうそくどうろ】
【道と路がわかる事典】 2章 国道・高速道路の雑学 >
都市高速道路は名前こそ高速道路というが、道路法で定められた高速道路とは異質のものである。大きな違いは、都市高速道路が国道ではないということだろう。全線が都道府県道あるいは市町村道で、国道とはまったく縁がないのだ。国および地方公共団体以外の公益法人が事業にあたっている。首都高速道路公団、阪神高速道路公団、名古屋高速道路公社などである。
都市高速道路は、有料道路である、自動車専用道路である、中央分離帯で往復交通が区別されている、立体交差であるなど、高速自動車国道(高速道路)と共通点は多いが、都市高速道路にはインターチェンジがない。これが最大の違いだろう。一般道路と直結しているため、一般道路の交通の影響をモロに受ける。一般道路が渋滞すれば、都市高速道路もたちまち渋滞に巻き込まれる。首都高速道路が低速道路だと酷評される所以である。
都市高速道路がその機能を果たすためには、一般道路、特に都市高速道路と直結した道路の整備が先決である。また、都市高速道路は本線に合流するまでの徐走距離が短いため、充分な加速ができない。車幅も高速道路より狭くつくられている。従って、多くの区間で制限速度が五〇、ないし六〇kmと、高速道路よりかなり低く設定されている。
都市高速道路の元祖は首都高速道路で、名神高速道路が全線開通する一年前に誕生している。現在二五五・八kmが供用中(平成一一年現在)だ。このほか、阪神高速道路(二二一・二km)、名古屋高速道路(三七・九km)、福岡・北九州高速自動車道路(七六・六km)、広島高速道路(四・二km)の五大都市圏で供用中である。やがては、札幌や仙台でも都市高速道路が建設されることだろう。
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【この辞典の書籍版説明】
「道と路がわかる事典」浅井 建爾 |
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道を切り口に日本を旅する楽しみに出会う本。身の回りの生活道路の不思議から、古道の歴史、国道や高速道路、橋やトンネル、乗り物まで道と路に関する知識が満載。 |
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