ユリウス日
【ゆりうすび】
【暦の雑学事典】 3章 暦の進化史 >
◆西暦前4713年1月1日が起点
1582年に制定されたグレゴリオ暦が世界の標準的な暦として定着するまで、300年以上もかかった。その間、西洋ではローマのユリウス暦を使用していた国もあったので、年代学上の混乱が生じた。グレゴリオ暦はユリウス暦に改良を加えた太陽暦であり、日本の旧暦(太陰太陽暦)と新暦(太陽暦)ほど大きな違いはないものの、日付が国によって異なっていたのである。
そこで、こうした混乱を解消するために、1583年にフランスの古典学者スカリゲルがユリウス日(JD)というものを考案した。古代世界の年代記を記述するにあたって、まちまちだった日付を統一しようとしたのである。ちなみにユリウス日という名称は、やはり古典学者であった父親のユリウス・カエサル・スカリゲルからとったものだという。
ユリウス日は西暦前4713年1月1日の正午(世界時12時)を起点として数える通日である。たとえば2000年1月0日正午のユリウス日は245万1,544日、2001年1月0日正午は245万1,910日となる(1月1日正午を起点とする通日なので年初に0日も存在する)。ユリウス日では時刻の時分秒は小数点以下の端数として表わされる。したがって、ある時点のユリウス日から過去の時点のユリウス日を引けば、経過日数・時間を容易に知ることができ、年代学のみならず天文学の計算にもきわめて便利なものとなる。年月というのは暦法においては重要だが、天文学においては日数だけで十分だからだ。
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【この辞典の書籍版説明】
「暦の雑学事典」吉岡 安之 |
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