東洋医学の知識
【とうよういがくのちしき】
【東洋医学のしくみ】 休憩室(コラム) >
一般の薬局の棚にも簡単なエキスの漢方薬は置いてありますし、ツボを紹介する雑誌やテレビ番組などもよく見かけますから、漢方薬を選んだりツボを選んだりすることは、さほど難しいことではないように思っている人は多いでしょう。しかし、患者が来院してから治療するまでの過程で、治療しようとする人が頭の中でさまざまな情報から症状を分析し、証を判断して治療方法を決定していることを知って、驚かれたのではないでしょうか。そして、素人が自分で薬草を選んだりツボを押したりしてもいいのだろうかと心配になったかもしれません。
しかし、そんなに深刻に考えなくてもいいのです。たとえば、傷口が大きく縫わなければならないようなケガをした場合は病院に行く必要がありますが、すり傷程度であれば誰だって自分で消毒したりばんそう膏を貼ったりする、それと同じです。本格的に病気を治療するにはやはり専門的な知識が必要ですが、ふだんの体調管理やちょっとした症状に使うのであれば、さほど細かい知識は必要ではありません。
ただ、昨今では多くの病院から漢方薬が出されるようになってきていますが、それを処方する医師たちが、みな必ず深い思慮に立っているかという疑問が出てきているのも事実です。医学部における東洋医学の学習はまだ始まったばかりで、専門知識の習得は個人個人にまかされているからです。
本文でも述べていますが、現代医学より東洋医学の方が、より治療する人の能力差がその効果に反映します。そこで、みなさんには、東洋医学のしくみを初歩的ながら知っていくことで、医師の能力差を見分けたり、自分が適切な治療を受けているのかを判断できるようになってほしいと思います。患者側の目が厳しくなればなるほど、医師たちのレベルも向上せざるを得ないからです。
本辞書では、読者が東洋医学をうまく活用できるように、基本的な体質とその見分け方についても紹介しています。自分の体質を知ることで、次から次へと現れる健康食品ブームなどに振りまわされることなく、自分に合ったものを選んだり、食事を含めてどんな点に注意して生活を送っていったらいいのかについて、考察を得ることができるでしょう。
data-ad-slot値が不明なので広告を表示できません。
【関連コンテンツ】
広告を表示できません。
【この辞典の書籍版説明】
「東洋医学のしくみ事典」関口善太 |
|
ともすれば怪しげなイメージがあり、本来の療法とは根拠の薄い健康本が多い中、東洋医学の病理観から気血津液、証などを正しく教える入門書。漢方薬・経絡マッサージなどの実用面もやさしく解説。医療関係者ほか、健康を本気で考える人にぜひ読んで欲しい一冊。 |
|
出版社:
東洋医学のしくみ[link] |