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湯川秀樹
【ゆかわひでき】

雑学大全2ヒトの不思議 > 人物

一九二九(昭和四)年、京大理学部物理学科を卒業した湯川秀樹は、一九三五(昭和一〇)年、二八歳のとき、「素粒子の相互作用について」という論文で、原子核のなかに従来知られていない「中間子」という素粒子が存在すると予言した。一九三七(昭和一二)年、ノーベル物理学賞を受賞したアメリカのアンダーソンが、宇宙線のなかに未知の素粒子を発見したことから、湯川の中間子論は世界の注目を集めた。その後の研究により湯川理論を確立。一九四九(昭和二四)年にノーベル物理学賞を受賞した。論文発表に先立って、一九三四(昭和九)年一一月に東京大学で開かれた日本数学物理学会でこの中間子論を発表したのだが、周囲の反応は散々だった。仮説の大胆さが受け入れられなかっただけでなく、話が終わったとたん、奥に座っていた人から「声が小さくて何も聞こえなかった」という声が上がり、その場がしらけたという。彼は普段から無口で声が低くて小さく、大学で講義をしても学生は聞き取れずに居眠りしてしまうほどであった。もの静かさから「お公卿さん」とあだ名されたりもしたようだ。ちなみに、論文もなかなか書こうとしなかったらしい。そのため、京大物理学教室の八木教授が、湯川の同級の朝永振一郎(後に同じくノーベル物理学賞受賞)が卒業後に論文を発表して活躍しているのを引き合いに出し、「卒業して五年も経つのに論文がない」と厳しく叱ったという。そのうえ妻も論文を発表するようにと毎日激励するので、ついに重い腰を上げて論文を書き上げたのだ。


東京書籍
「雑学大全2」
JLogosID : 14820744


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編集: 東京雑学研究会
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発売日: 2004年8月
ISBN: 978-4487801305