名誉教授
【めいよきょうじゅ】
【雑学大全2】 そーだったんだ! > ○○との違い
普通の教授と名誉教授。名誉教授のほうが偉い人なのだろうと思うかもしれないが、実際に名誉教授になるための資格や設定のようなものはあるのだろうか。国立大学の場合、名誉教授については学校教育法の六八条三項で定められている。第六八条の三、「大学は、当該大学に学長、副学長、学部長、教授、准教授、又は講師として勤務した者であつて、教育上又は研究上とくに功績のあつた者に対して、当該大学の定めるところにより、名誉教授の称号を授与することができる」とある。つまり、大学にとって、とくに功績があった教授であるということの証明みたいなものである。そのほかの細かい規定は各大学で様々で、所属する大学の大学規定の付与条件に該当することが必要のようだ。たとえば、ある大学では、教授として二〇年が必要で、准教授や専任講師として勤務した場合は二年を一年分として換算するなど、結構うるさい。知名度や学術的に価値の高い研究をした人なら、誰でも名誉教授になれるというわけでもなさそうだ。また、ある大学では、勤務年数は大前提のうえ、六五歳の定年後にしか名誉教授になれないというものもある。なるほど、「名誉教授」という肩書きを持つ人のイメージとして、初老の紳士のような感じがあるが、確かに若くして名誉教授にはなかなかなれないものなのである。それでは、著名な湯川秀樹などの場合はどうなのだろうか。一九四九(昭和二四)年に湯川秀樹は日本人で初めてノーベル物理学賞を受賞したが、日本では京都帝国大学(現・京都大学)や東京帝国大学(現・東京大学)で教授を歴任しているし、アメリカの大学でも客員教授をしているから、大阪大学で教鞭を執った年数は少ないはずである。大阪大学の話でも、大阪大学の名誉教授に必要な年数は一五年だが、湯川氏はその年数を満たしていないという。しかし「大阪大学名誉教授」という称号を湯川氏に授与しているのだ。なぜかというと、これは特例として「教育上の功績がとくに顕著であった者に対しては、勤務年数に達しなくても評議会の選考を経て本学名誉教授の称号を授与することができる」という条項が大阪大学の規定にあるからだ。実際に湯川秀樹は、講師や助教授として数年ずつしか勤務していない。とにかく絶大な功績や知名度のある人物の場合は、大学としても、特例でも名誉教授になってもらいたい、というのが本音のところだろうか。
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「雑学大全2」東京雑学研究会 |
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浜の真砂は尽きるとも,世に雑学の種は尽きまじ。新たな1000項目で帰ってきた,知的好奇心をそそる雑学の集大成第2弾。 |
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