マザー・テレサ
【まざーてれら】
【雑学大全2】 ヒトの不思議 > 人物
コルカタの貧しい人びとへの奉仕でノーベル平和賞を受賞(一九七九年)したマザー・テレサは、本名をアグネス・ゴンジャ・ボンジャヒュー(「花のつぼみ」の意)といい、旧ユーゴスラビア(現・マケドニア)で生まれた。インドを訪れ、ロレット修道会が設立したスクールで地理を教えていた彼女は、やがてコルカタを訪れ、スラムに「死を待つ人びとの家」を設立する。行き倒れの人を収容する奉仕施設である。同地でテレサは、当初の目的だった貧しい子どもたちへの奉仕活動をおこなっているとき、行き倒れの人を見つけて病院へ連れていったが引き取りを断られ、薬を買いに行っている間に亡くなってしまうという経験をした。それなら自分たちで最期のときまで面倒を見るしかないと設けたのが、この施設のはじまりだったようだ。テレサが「死を待つ人びとの家」設立の母体とした「神の愛の宣教者会」が、一九五〇年に正式な修道会としてバチカンに認められると、彼女の名は一気に世界に広まり、神と人間に奉仕する聖女としての名声を高めていく。そんな状況になっても、彼女は驕ることなくつましく暮らし、要望があればどこへでも出向いて講演をおこない、貧しい人びとの状況を伝える伝道師の役を務めた。そうした場の一つ、一九七六年にカナダのバンクーバーで開かれた「国連人民居住会議」でのこと。貧民の苦境を語った後、列席していた当時のトルドー首相に、「あなたももっと質素な服を着て、粗末な食事をすれば、国民もそれに従って多くの人が救われます」と笑顔で声をかけた。このセリフは彼女独特のユーモアだったが、首相はその場では苦笑するしかなく、翌日にはノータイ、ジーンズ姿で会場に姿を見せたという。また、アメリカでは肥満の大学教授に向かって「お腹の脂肪を貧しい人に捧げて」といったなど、本人に悪気はなくても、いわれた本人はグサリと胸に刺さるような皮肉に聞こえるユーモアが、テレサのセリフの特徴の一つだったようである。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全2」東京雑学研究会 |
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浜の真砂は尽きるとも,世に雑学の種は尽きまじ。新たな1000項目で帰ってきた,知的好奇心をそそる雑学の集大成第2弾。 |
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