フォッサマグナ
【ふぉっさまぐな】
【雑学大全2】 自然 > 自然
本州の中央部辺りをほぼ南北に横切る地溝帯を「フォッサマグナ」と呼んでいる。西端は糸魚川静岡構造線(糸静線)、東端は新発田小出構造線および柏崎千葉構造線とされる、広範囲な地帯となっている。よく糸静線とフォッサマグナは同一視されるが、フォッサマグナは線ではなく、もっと広範囲な地帯なのだ。フォッサマグナはラテン語で「大きな溝」という意味で、ドイツの地質学者ナウマンによって調査され、一八八六年に命名された。ナウマンは、ライマンとともに日本に最初の地質学を導入し、日本の地質をまとめてヨーロッパに紹介したことでも知られる。また、一八七七(明治一〇)年の東京大学の開設にあたり、日本で最初の地質学教授になったことでも知られる。彼は日本における近代地質学の基礎を築くとともに、日本初の本格的な地質図を作成。在日中に日本の旧象化石についてまとめ、ドイツの雑誌で発表している。野尻湖(長野県信濃町)の湖底発掘などで、約二万年前の更新世後期まで東アジアに生息していたゾウの一種が発見されたが、この象の名前は、日本でゾウの化石を初めて研究したナウマン博士の名前にちなんでつけられた(一九二一年)。ところで、彼は帰国後しばらくマイセンに住んだ後、ミュンヘン大学で私講師として働いたが、この頃、なんとドイツに留学していた森?外との間に論争が巻き起こった。二人は、新聞紙上において、日本人の起源をめぐる問題、風習、健康状態、食生活、宗教、文明開化やその程度について、激しく論争したのである。いまにすると、ナウマンの日本に対する主張はおおよそ正しかったと思われるが、論争の原因はむしろお互いの言葉の誤解や?外の過度な新進気鋭の感情に基づいたものだったといわれる。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全2」東京雑学研究会 |
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浜の真砂は尽きるとも,世に雑学の種は尽きまじ。新たな1000項目で帰ってきた,知的好奇心をそそる雑学の集大成第2弾。 |
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