ノーベル
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【雑学大全2】 ヒトの不思議 > 人物
ダイナマイトの発明とノーベル賞で有名なノーベルは、もともとはスウェーデンのストックホルム生まれの技術者だった。そして父親の爆薬製造の仕事を手伝い、爆薬の改良に専念していた。当時のヨーロッパは蒸気機関の発明によって、大量の石炭が必要となっており、炭坑では坑道を掘り進んだり採掘するために、強力で取り扱いのしやすい爆薬が求められていたのだ。その頃使われていた爆薬は液体のニトログリセリンだが、わずかの衝撃でも爆発したため、事故も多発していた。そこでノーベルは、ニトログリセリンに珪藻土を染み込ませることで、爆発力は落とさずに、衝撃に強く安全に扱える新しい固形爆薬を完成させた。これがダイナマイトであった。ノーベルはその後も発明を続け、生涯で約三五五もの特許を取得した。そして、死後、遺言により遺産のほぼ全額(約三一〇〇万クローネ)を基金としてノーベル賞が設立された。ところで、とかく科学者というものは自分の研究に没頭するあまり、金儲けはさほどうまくないという印象を持たれるかもしれない。しかし、ノーベルは事業家としてもかなりの才能を持ち合わせていたようである。彼の金儲けの手段は株だった。彼は兄ルードヴィとともに会社を経営していたが、ルードヴィは厳格にして潔癖な性格。株などギャンブルであり、ギャンブルは真面目に労働に従事している人に対する冒涜だと考えていた。しかし、元手を増やすには株が有利と考えたノーベルは、反対する兄を押し切って株を購入した。天賦の才能に恵まれていた発明家ノーベルは、投資する価値がある会社なのかどうかを鋭い嗅覚でかぎ分け、見事に財産を増やしていった。さらにノーベルは自社株を一般公開することも提案。同族だけで事業を運営することを望む兄を、「できるだけ多くの人が経営に参加すべきだ」と説得してしまった。その際、自社株を大量に購入していたノーベルは、それを放出してこれまた大儲け。さすが天才、やることに抜け目がないようである。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全2」東京雑学研究会 |
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浜の真砂は尽きるとも,世に雑学の種は尽きまじ。新たな1000項目で帰ってきた,知的好奇心をそそる雑学の集大成第2弾。 |
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