ドライクリーニング
【どらいくりーにんぐ】
【雑学大全2】 社会 > 企業
衣類を水で濡らすことなく汚れを落とすという洗濯方法が「ドライクリーニング」だ。普通の洗濯法は、洗剤を溶かした水やお湯をかき混ぜて泡立て、繊維の奥まで洗剤を浸透させ、さらに泡で汚れをくるむようにして取り去っている。ところが、衣類の素材である繊維の種類や布地の織り方によっては、水に濡れることで縮んだりシワが生じたりする。汚れを落ちやすくするためにもんだり、水中でかき混ぜたりすることも、織りによじれを生じさせたり、織り目の詰まりの原因となって縮みに拍車をかける。それを防ぐために、水で洗わないドライクリーニングは開発された。開発者はフランスの洋服屋ジョーク・プレーンで、一八四九年のことである。これが一八五五年のパリ万博で「無水洗濯法」として紹介され、広く世に知られることになった。彼が水の代わりに使ったのがベンジンで、この油性溶剤が衣類のおもな汚れである皮脂の成分を落とすのに効果的だった。これ以降は、ベンジンのような石油系溶剤のほかに、パークロロエチレン、フッ素系溶剤、トリクロロエタンといった繊維や汚れに合わせた溶剤が開発されている。ただ、衣類の汚れは油性である皮脂のほかに、汗に含まれる塩分のような水溶性のものもあり、こちらは普通の水洗いのほうがよく落ちる。そこで、クリーニング店では、溶剤だけでなく多少の水を加えるといった素材や汚れに合わせたプロならではの工夫がされている。もっとも難しいものの一つに、水も溶剤も使えない毛皮のクリーニングがあるが、これにはトウモロコシの芯を粉末状にして用いるようだ。トウモロコシの芯はごく細かい穴のあいた構造のため、粉末状にしてもその穴が残る。毛皮に粉をふりかけると、穴が汚れを吸着し、粉をふり払うと汚れも落ちるというしかけである。
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「雑学大全2」東京雑学研究会 |
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浜の真砂は尽きるとも,世に雑学の種は尽きまじ。新たな1000項目で帰ってきた,知的好奇心をそそる雑学の集大成第2弾。 |
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