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ツルのひと声
【つるのひとこえ】

雑学大全2そーだったんだ! > 由来

ツルは、体長が七〇?一五〇センチで、どの種も体つきほっそりとし、首と脚が長い。広い湿地や草原、耕地などに群れをつくり生活している。さて、「ツルのひと声」という言い回しがあるが、実際のツルの鳴き声はどのようなものか、すぐに答えられるだろうか。ツルの鳴き声は、「キョロー、キョロー」という高く大きく遠くまで響きわたる声である。長い首をシャンと伸ばし、天を仰ぐようにして口を大きく開けて鳴くため、よく響く声が出るのだ。この鳴き声で、周りは一瞬静まりかえるという。社内会議で議論百出し、なかなか結論が出ないときに、社長のひと言で決断が下されたりすると、「ツルの一声で決まった」というが、それもまさに声の威力といえよう。古くはツルを「たづ」といい、冬枯れの景色のなかに白い姿が印象的で、「神鳥」と考えられた。また、ツルがくわえてきた稲穂から稲作がはじまったとか、新品種が栽培されるようになったという穂落とし伝説は、全国に広く分布している。ツルには、エサをくちばしで空中にほうり上げて食べる習性があり、稲田におりて落穂をついばむその姿が、こうした伝説を生んだのだろう。茨城県には、ツルは二〇〇〇石見晴しの田でなければ降りないという言い伝えがある。ツルが舞い降りるのを瑞兆とみなしているのである。このようにツルをめでたい兆しと考えるのは、中国の影響が強い。また、ツルは福をもたらす鳥として考えられていたので、ツルの導きによって発見されたという由来を持つ温泉も各地に点在する。


東京書籍
「雑学大全2」
JLogosID : 14820744


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編集: 東京雑学研究会
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発売日: 2004年8月
ISBN: 978-4487801305