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太平洋と大西洋
【たいへいようとたいせいよう】

雑学大全2そーだったんだ! > ○○との違い

太平洋」と「大西洋」。読みは「タイヘイヨウ」と「タイセイヨウ」なのだが、漢字は「太」と「大」である。子どもの頃、地理を学ぶときなどに、二つの大洋がごちゃごちゃになった記憶がある方もいるだろう。なぜこんなややこしい漢字の使い分けになったのだろう。それは、大洋の名称が訳語だからである太平洋と大西洋という名称にはそれぞれの由来があるが、それを訳したところ、たまたま読み方が似てしまったのだ。まず、太平洋の語源から説明しよう。命名は世界一周の偉業を成し遂げたマゼランである大西洋を横断したマゼランは、南アメリカ大陸に沿って南下しながら、西に抜ける水路を探していた。ようやく見つけた水路が、いまでも航海の難所に数えられるマゼラン海峡である。マゼランの艦隊は様々な困難と戦いながら、ようやく穏やかな大海に達した。喜んだマゼランは、そこを「El Mar Pacifico」と命名した。この「Pacifico」という単語が「平穏、泰平」という意味なので、「太平洋」と訳されたというわけである。「太平洋」という表記は、一九世紀半ば、古賀増が著した『度日閑言』という書物のなかにでてくるの最初である。その後、「静海」「太平海」などと様々な呼び方があったのだが、大正時代頃には現在の「太平洋」という言い方で落ち着いたようだ。では、大西洋どうか。もともと大西洋は「Atlanticos」、すなわちアトラスの海と呼ばれていた。これを、明の時代、中国で布教活動をしていたマテオ・リッチが訳語を考えることになる。一六〇二年に出版された『坤輿万図全図』に、「西洋の前方に開けた大きな海」の意と解釈して「大西洋」と記されたとの記録がある。ちなみに中国でも、日本と同じく太平洋」「大西洋」と書くようである


東京書籍
「雑学大全2」
JLogosID : 14820744


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編集: 東京雑学研究会
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発売日: 2004年8月
ISBN: 978-4487801305