ゴッホ
【ごっほ】
【雑学大全2】 趣味 > 芸術
オランダに生まれ、人生の後半を南フランスのアルルで過ごしたフィンセント・ファン・ゴッホ。彼は芸術家にとって憧れの地であるパリへ、現地で画商として生計を立てていた弟を頼って渡り、そこで印象派の仲間たちと出会い、とくにピサロに感化されて、オランダ時代の暗い色合いの絵から、鮮やかな色彩が目に飛び込むような筆致に変わっていったといわれる。その頃から、日本の浮世絵に衝撃を受けて模写をはじめ、二年足らずのパリ滞在を終えてアルルへ足を向けた。ここでの滞在が、彼の才能を一気に開花させたといっていい。代表作の『ひまわり』『麦畑』『糸杉』などは、すべてアルル時代に描かれたもので、一年三カ月ばかりの間に二〇〇点を超える作品を残している。渡仏後は、明るく抜けるような印象の絵を残したゴッホも、オランダ時代は陰鬱な色合いの絵が多い。ゴーギャンに自画像の耳について指摘され、自分の耳たぶを切って女性に送ったという奇行は有名だが、彼のオランダ時代の恋も、そんな暗い陰鬱なものだったようだ。相手は、ゴッホのいとこにあたるケー・フォス・ストリッケルである。彼女がゴッホの家に滞在したとき、未亡人になったばかりの彼女に、長い間の想いをいきなり告白するのだ。驚いた彼女は、その愛を受け入れる気持ちがまったくないことを告げ、はっきりと拒否してアムステルダムの自宅へ帰ってしまう。ゴッホは、ケーに何度も手紙を出すが、返事すら来ない。それでもあきらめきれないゴッホは、突然アムステルダムを訪れ、ケーの家族を驚かす。家族は、「たった今まで彼女はいたが、キミが来たことを知って逃げ出した。手紙だってすべて燃やしてしまうのだから、二度と出さないでほしい」と告げるのだが、翌日もまた訪れたゴッホがとった行動は……。ちょうど燃えていたランプに手を突っ込み、ヤケドしそうになりながらも、「私ががまんできた時間だけでいいからケーに会わせて!」というものだった。ストーカーまがいに追い掛け回されて、ますます不気味になったケーは、二度と彼に会うことはなかったという。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全2」東京雑学研究会 |
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浜の真砂は尽きるとも,世に雑学の種は尽きまじ。新たな1000項目で帰ってきた,知的好奇心をそそる雑学の集大成第2弾。 |
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