ココ・シャネル
【ここしゃねる】
【雑学大全2】 生活 > おしゃれ
一九〇〇年代初頭のヨーロッパでは、女性のファッションは実用的とは程遠いものだった。女性の体は、鯨の髭や鉄鋼でできているコルセットできつく締め付けられていたのだから。そんな女性たちをコルセットから解放したのがココ・シャネルだ。第一次世界大戦の物資不足のなか、ジャージ素材を洋服に取り入れ、その後もツイード・スーツ、女性のためのパンタロンなどを次々に発表し、斬新な発想でパリで最も人気のあるオート・クチュールとなった。オート・クチュールとして初めて香水を発売したのも彼女であり、アクセサリーやハンドバッグなども発売した。ファッション産業のあり方を大きく変化させ、二〇世紀の最も偉大なファッション革命家としても讃えられている。彼女は一二歳のときに母親を亡くしている。父親は行商人で、生活も自分が食べていくだけで精一杯だった。とても六人もの子どもを育てることはできず、彼女ら三人の姉妹は孤児院に預けられて育った。結果として父親に捨てられた形なのだが、実は彼女は生涯を通して相当なファザコンだったようだ。彼女の父親であるアルベール・シャネルは、フランスのプロヴァンス地方に住む農民の出で、いかにも地中海人種らしいハンサムで魅力的な男性だった。彼女はそんなハンサムな父親に夢中で、本名のガブリエルよりも、生涯「ココ」と愛称で呼ばれることを好んだのは、愛する父親がつけてくれた呼び名だったからだとか、父親が可愛がっていた犬の名前だったからなどといわれている。歌手をめざして田舎町のキャバレーで歌っていた歌の題名にちなんでつけたともいわれるが、彼女の発言は多様で偽りも多いようなので定かなことは不明だ。しかし、彼女がファザコンだったからこそ、ココと呼ばれることを好んだのだろう。ココは多くの熱烈な恋をしたが、その相手はいつも父親のような男性だった。彼女は生涯を通して自分を捨てた父親を求め続けていたのかもしれない。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全2」東京雑学研究会 |
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浜の真砂は尽きるとも,世に雑学の種は尽きまじ。新たな1000項目で帰ってきた,知的好奇心をそそる雑学の集大成第2弾。 |
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