花粉症
【かふんしょう】
【雑学大全2】 生活 > 健康
樹木や草の花粉によってアレルギー症状がでることを「花粉症」というが、とくにその症状が顕著なのが春先。いまや日本人の一〇人に一人は花粉症を患っているといわれており、マスクやメガネで完全防備した人をよく見かける。これは、春先には、全国に植林されたスギの木の花粉がよく飛ぶからだ。花粉症は野生動物はかからないといわれているが、ペットとしてのイヌやネコのなかには、花粉症で苦しむ個体も少なくないようだ。症状は、人間と同じような鼻水、くしゃみ、なみだ目のほか、イヌの場合は、体全体がかゆくなる。あまりのかゆさに、体を頻繁になめたりかいたりして、毛が抜けてしまったり、紅斑といわれる発疹が出たりする。春は、花粉症の人間だけではなく、花粉症のペットにとっても受難の季節なのだ。さて、そんな花粉症のペットたちに朗報がもたらされた。国立感染症研究所の阪口雅弘主任研究官と東京大学農学部獣医内科学教室の増田健一助手が、共同で花粉症用のDNAワクチンを開発したのだ。本来、この研究は人間用のワクチン開発を目的としているが、人間とイヌのDNAパターンがよく似ているため、まずはイヌで臨床実験をおこなったところ、非常に効果があったという。実験によると、花粉症で皮膚炎になったイヌに、このワクチンを月に一回、三カ月投与すれば、その後の数年間は花粉症による皮膚炎を抑制できるそうだ。そこでこのワクチンを花粉症に苦しむイヌ用としても利用しようということになったという。実は、同じ花粉症による皮膚炎でも、ステロイド剤の副作用が少ないネコの場合は治療が可能だったが、イヌの場合は副作用が強く深刻だった。アレルギー性の病気は、イヌの場合でも、人間と同じく遺伝と環境により、かかりやすさの違いがあり、なかでも柴犬やシーズー、ゴールデンレトリーバーなどはかかりやすい犬種といわれている。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全2」東京雑学研究会 |
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浜の真砂は尽きるとも,世に雑学の種は尽きまじ。新たな1000項目で帰ってきた,知的好奇心をそそる雑学の集大成第2弾。 |
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