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カキ
【かき】

雑学大全2生活 > 食べ物

日本人の秋の味覚といえば、まつたけ・栗・サンマ・カキなどたくさん挙げられるが、なかでもカキは「海のミルク」とも呼ばれて栄養価も高く、私たちに親しまれている食材の一つである。最近、食材は「天然」や「自然」と謳われているものに人気が集まり、またブームとなっている。しかし、日本でおもに食されているカキはマガキで、そのほとんどが養殖であるというのが事実だ。天然のマガキは岩にしっかりと張り付いていて、取るのが難しいため、工具を使わないと採取できない。しかも苦労して採ったにもかかわらず、養殖のマガキよりも小さく形も悪い。実は、養殖で育てたマガキのほうが身も大きく、味もよいのである。天然のカキより養殖のほうがおいしいとはなんとも予想外である。カキの養殖は、天然のカキの産卵が終わり、そこから幼生が産まれ海中を漂う七?九月にはじまる。この幼生を貝殻に付着させる作業を「採菌」と呼ぶ。幼生は放っておくと岸壁や桟橋に付着し、勝手に育っていくが、この幼生がそれらに付着する前に、漁師が殻のたくさんついたロープを海に沈め、人工的に付着させていくのだ。そのとき使用する殻は、もちろんカキの殻だと考えるところだが、カキの養殖に使用する殻は、なんとホタテの殻である。というのも、カキではなくホタテの殻を使うのは、ホタテの貝殻のほうが種ガキが付着しやすい上、形と大きさがそろっているため作業の効率がよいという理由だった。ホタテなしでは、おいしく大きなカキを私たちは食べることができないのだ。


東京書籍
「雑学大全2」
JLogosID : 14820744


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編集: 東京雑学研究会
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