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親指
【おやゆび】

雑学大全2ヒトの不思議 > 人体

「葬列を見たら親指を隠せ」という言い伝えがある。その理由は、「親が早死にする」「親の死に目に会えない」「親を取られる」「縁起が悪い」など、様々である。親の命を案ずるのは、親指から親を連想していたからだろう。親指を隠すのは親を隠すことだったのだ。しかし、もともとは親の心配をしてそうしたのではない。自らの体に悪い影響がおよぶのを断つためだったと考えられる。最近では希薄になってきたが、かつては目に見えない邪悪なものが、親指の先から侵入して災いをもたらすと信じられていたのだ。また、死んだばかりの人間の魂は、まだ不安定なまま漂っていることがあり、親指を折って防衛しないと、こちらの体に霊が乗り移り、黄泉の世界へ連れていかれてしまうから、という説もある。ではなぜ、親指を折ると防御できるのか。それは、親指を硬く握ると、「気」を充実させ、恐怖を追い払うことができるため、とされていた。したがって、死者の霊と戦うために、この「充実」のポーズを取り、霊を追い払うというわけだ。かつてこのポーズはいろいろな場面でおこなわれていた。「夜道を歩くときには親指をなかにして握っていると狐に化かされない」「疫病をよけるには、両手の親指をなかにして握っているとよい」、それから「猛犬に遭遇したときは両手の親指をなかにして拳を握りしめ、犬の眼をにらむとよい」というように。災厄を防ぐために親指を隠すのは、体のうちで親指は邪悪なものに狙われやすい箇所であると暗示されていたためである。明治初期、コレラが流行したとき、狐がコレラをもたらすと噂された。当時の人々は、手足の親指を糸でくくったという。


東京書籍
「雑学大全2」
JLogosID : 14820744


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「雑学大全2」東京雑学研究会

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出版社: 雑学大全2[link]
編集: 東京雑学研究会
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収録数: 1000728
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発売日: 2004年8月
ISBN: 978-4487801305