オズマ計画
【おずまけいかく】
【雑学大全2】 自然 > 宇宙
ドロシーという一人の少女が、心のないブリキのきこり、臆病なライオン、頭脳のないかかしとともに、エメラルドの都に住む魔法使いへ会いに行くまでの冒険を描いた『オズの魔法使い』。そのなかに登場する王女オズマの名前がついた壮大な計画が「オズマ計画」だ。それは魔法の国についてではなく、宇宙についてのとある計画だった。一九五九年、イギリスの科学雑誌『ネイチャー』で、恒星間の通信手段として可能なのは電磁波だけと考えられ、その周波数は中性水素の発する波長二一センチのマイクロ派が最適であるとする「恒星間通信の探索」という論文が発表された。これを基に提唱されたのが「地球外知的生命探査(SETI:The Search for Extra-terrestrial Intelligence)」という、地球外にすむ知的生命体、つまり宇宙人探しの事業だった。その最初の試みが、翌年アメリカでおこなわれた。史上初の電波による宇宙人との交信を試みたのはアメリカの天文学者、フランク・ドレーク。これを王女オズマの名をとって「オズマ計画」と呼ぶ。王女オズマは、オズの国のなかで起こるすべての出来事が書き込まれるという魔法の本を持っている。宇宙から発せられたメッセージをすべて受信したい、そんな想いがこめられていたのかもしれない。実験ではまず、地球から近く、生命体が存在しそうな惑星を持つのにふさわしい大きさの恒星として、くじら座のタウ星とエリダヌス座のイプシロン星が選ばれた。その二つの恒星に電波望遠鏡を向け、のべ一五〇時間にわたって電波が送り続けられたが、残念ながら宇宙人からの信号を観測することはできなかった。その後、このオズマ計画に基づいて、一九六〇年代に五回、一九七〇年代に二六回、一九八〇年代に二三回、同様の試みがおこなわれたが、結果はいずれも同じだった。それでも人類の地球外知的生命体への想いが絶えることはなく、現在も世界中で様々なSETIプロジェクトが進められている。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全2」東京雑学研究会 |
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浜の真砂は尽きるとも,世に雑学の種は尽きまじ。新たな1000項目で帰ってきた,知的好奇心をそそる雑学の集大成第2弾。 |
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