大阪
【おおさか】
【雑学大全2】 地理 > 国・島・都市
現在の大阪市は、豊臣秀吉が城を建ててから発展がはじまり、江戸時代に政治の中心が移ってからは、商業都市として成長を遂げた。ただ、秀吉の時代から江戸時代を通じて、使われた文字は「大坂」であった。明治維新を迎えて、一度は首都にしてはどうかという案が出たものの、結局は東京と名を改めた江戸に敗れたことが、文字を変える結果になった。「坂」の字は「土」と「反」で構成されている。「土にかえる」という意味にもなり、あまり縁起のよいものではないというのが文字変更の理由である。そこで同じ「さか」の読みでも、繁栄するという意味を持つ「阪」に決めたといわれている。とはいうものの、すでに江戸時代に大阪と表記した例がいくつも見られる。縁起をかつぐ商人たちは、早くから勝手に書き換えをしていたようである。元来「おおさか」という地名も、昔ながらの名前ではなかった。古代では「難波」と呼ばれる国だったいまの大阪一帯は、オサカという地名だけが伝えられていた寂しい地域だった。そこに一四九六(明応五)年に僧・蓮如が石山本願寺を開いた。そのとき蓮如は地名に「小坂」という字を当てた。その後、蓮如と同様に、入り江と川で水運に便利なこの一帯の地の利に気づいた秀吉が、城を建てることを決意した際、「小」は縁起が悪いから「大」に変えた。漢字を素直に読んだ「おおさか」が地名として一般的になったのは、いつの頃からかはっきりしない。明治時代に入ってもオサカと発音されることがあったようだが、新聞、雑誌が発行されてルビをふるようになったこと、鉄道が開通して駅名が「おおさか」と表記されたことなどが定着の理由だったようだ。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全2」東京雑学研究会 |
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浜の真砂は尽きるとも,世に雑学の種は尽きまじ。新たな1000項目で帰ってきた,知的好奇心をそそる雑学の集大成第2弾。 |
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