イカ
【いか】
【雑学大全2】 生物の不思議 > 魚類
寿司屋の符丁には、それぞれいわれがある。醤油を「ムラサキ」というのは、色をよく観察すれば黒というより紫に近い感じがすることからわかるはずだ。ショウガを「ガリ」というのは、それを?んだ音から。お茶を「アガリ」というのは、ちょっと酒を飲んで寿司をつまみ、お茶になったら食事の終わり、つまり一丁アガリというタイミングだからだ。寿司ネタの符丁にも意味があって、イカの足を「ゲソ」というのは、「下足」から来たものだ。下足番、下足札というように履物のことだ。ところが、この「ゲソ」という符丁を変えなければいけないかもしれないという。「吸盤のついた一〇本のイカの足は、実は腕というべき」というのが、最近の学説だからである。イカの足のうち長い二本は、足ではなく腕だというのは早くからいわれていた。イカがエサを捕獲するとき、特別に長く、先が平たくなっていて吸盤も先のほうに集中していて大きくなっている二本を使ってつかまえることが知られていたからだ。そこから特別に、長い二本を「触腕」と呼んで区別していたくらいだ。しかし近年は、そうやって捕獲したエサを、ほかの八本で押さえつけ、抱え込むようにして食べるということがわかってきた。おまけに、足といっても吸盤のある八本を海底につけたりして歩くわけではない。とするなら、一〇本とも足ではなく腕と考えるのが自然だということになったらしい。二一世紀の寿司屋は、「ゲソ」に替わる新しい符丁を考案する必要がありそうだ。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全2」東京雑学研究会 |
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浜の真砂は尽きるとも,世に雑学の種は尽きまじ。新たな1000項目で帰ってきた,知的好奇心をそそる雑学の集大成第2弾。 |
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