「ハリー・ポッター」シリーズの現在
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「ハリー・ポッター」シリーズはイギリスの作家J・K・ローリングによるファンタジー小説である。魔法使いの少年ハリー・ポッターが過ごす魔法学校での生活と、両親の仇である悪の魔法使いヴォルデモート卿との因縁の戦いを描いている。1997年に第1巻「ハリー・ポッターと賢者の石」が刊行されるやいなや世界的ベストセラーになり、大人気を保ったまま、2007年、第7作「~と死の秘宝」で完結した。しかし原作小説が完結してもなお、現在でも高い人気を誇り、世界中でハリー・ポッター関連の話題が起きている。本稿では2014年現在のハリー・ポッター・シリーズの状況について概説する。ハリー・ポッター全7巻は、2001年から2011年にかけて全作が映画化された(うち、最終巻「~と死の秘宝」は映画版では前後編に分けられた)。これにより、ハリー・ポッターの世界は特定のヴィジュアル・イメージをもつようになる。このヴィジュアル・イメージを基にしたテーマパークが、「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」である。米フロリダ州の「ユニバーサル・オーランド・リゾート(略称 : IOA)」に2010年初登場した後、2014年夏には大阪市の「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(略称 : USJ)」にてアジア初お目見えした。USJの「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」は、運営元の投資総額が約450億円ともいわれ、民間企業の一テーマパークとしてのみならず、大阪近郊への観光経済効果が強く期待されている。実際に来場者人気も高く、オープン初日には2000-3000人の行列ができたという報道もあるほどである。しかし一方で、屋内乗り物型アトラクション「ハリー・ポッター・アンド・ザ・フォービドゥン・ジャーニー」のセンサー故障がオープン後10日間で二度発生するなど、トラブルも起きている。運営会社は国内新テーマパーク建設資金調達のために株式上場(東証1部)を検討しているさなかでもあり、「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」の成否が注目されている。なお元祖「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」があるアメリカのユニバーサル・オーランド・リゾート(USF)でも、「ダイアゴン横丁」という新エリアがオープンしたばかりである。こちらも人気で、横丁内のアトラクション「グリンゴッツからの脱出」は、最大6時間待ちになったという。映像作品としては、スピンオフ映画「Fantastic Beasts and Where to Find Them」が製作準備中である。こちらはハリー・ポッター・シリーズの世界から70年ほど前のニューヨークを舞台としており、シリーズにも登場したホグワーツ魔法魔術学校指定教科書「幻の動物とその生息地」の著者である魔法生物学者ニュート・スキャマンダーを主人公とするものになる。原作者のJ・K・ローリングが脚本を担当し、3部作となる予定。第1弾は2016年11月18日全米公開を目指している。スピンオフ作ではない、続編小説「Dumbledore's Army Reunites」も発表された。クィディッチ(魔法界で人気とされている架空のスポーツ)・ワールドカップの決勝戦を、大人(33歳)になったシリーズの主人公達(ハリー、ロン、ハーマイオニー)が観戦しに来た様子を、正編にも登場した魔女のリータ・スキーターがゴシップ紙に寄稿したという体の小編(約1500ワードほど)である。しかしこれは作者のファンサービス以上のものではないようで、新作小説は出さないという作者声明が改めて出されている。なお、映画シリーズでハリー役を演じた俳優ダニエル・ラドクリフは両作とも自分が関わることはないと明言している。また、作者のJ・K・ローリングは「ロバート・ガルブレイス」という別名義でも作品を発表しているが、2014年、その第1作の邦訳版が講談社から刊行された。こちらはハリー・ポッターとはまったく関係がなく、大人向けの探偵小説である。
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