雪
【東京雑学研究会編】
【雑学大全】 自然 > 天候
雪は白いもの。これは幼児でも知っている常識である。ところが、ヨーロッパでは赤い雪が降るというのだ。
世界が広いと感じるのはこんなときである。日本中で誰が雪が赤いなどと言う人がいるだろうか。でも、フランスのパリでは、「確かに赤いよ」と返事が返ってくることになる。
パリだけでなく、イタリア、ドイツ、スウェーデンといったヨーロッパの諸国では、春先にほんのり赤い雪が降る。
これを顕微鏡でよく見てみると、雪の核になっているのは直径五〇ミクロンという赤みを帯びた砂粒なのである。この砂粒、実はアフリカのサハラ砂漠のものである。それが、春先に吹く南風によって、地中海を越えてヨーロッパまで飛んできたものなのである。
この時期、サハラ砂漠からヨーロッパに運ばれる砂の量は一〇〇万トンにもなるとか。それが雪に混じると赤い雪に、雨に混じると赤い雨になってしまうのである。
きちんと理由がわかれば納得するが、最初にこの雪を見たときには、さぞかしヨーロッパの人々は驚いたことだろう。
ちなみに、世界を見渡せば、黄色い雨やブルーの雨が降ることもある。黄色い雨の正体はマツの花粉だし、ブルーの雨の正体はアメリカポプラやニレの木の花粉だ。花粉が空中に散らばっているところに雨が落ちてくると、雨がその花粉の色になるのである。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全」東京雑学研究会 |
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