ほくろの毛
【東京雑学研究会編】
【雑学大全】 ヒトの不思議 > 人体
ほくろは身体中、いろんな部分に見られる。たいして気にならないものだが、顔のほくろは、時にはまじまじと見つめてみることもあるだろう。目の近くの泣きぼくろや口の周りのお喋りぼくろなど、愛嬌のあるほくろも少なくない。しかし、それに太い毛が生えてきたりすると、やはり気になる。毎朝の洗顔ケアのたびに、どうしたものかと考え込む人もいるかもしれない。
ほくろという黒い点は、表皮の下のメラニン(動植物の細胞にある黒い色素)産生細胞が活性化し、メラニンを大量に作り出すためと考えられている。日焼けの場合も同じように、メラニン産生細胞が活性化して肌が黒くなるが、一時的なもので、日が経つにつれ、またもとの色に戻る。ほくろの場合は、細胞が活性化したままなので、ずっと黒いのである。
盛り上がったほくろは、皮膚の一種の奇形ということだ。皮膚の表面から〇・二ミリ以内のところにできる母斑細胞に、隣の細胞とつながるための結合組織が欠けているため、隆起しやすいとのこと。
皮膚に生えている毛は、表皮細胞が変形したものである。メラニン産生細胞の活性化がつづき、その上の表皮細胞まで活性化されると、毛根の奇形を生み、毛が正常に伸びず、長くなったり太くなったりすることになる。
たいていのほくろは何ら心配のないものであるが、たまに、急に大きくなったりするものがある。これには要注意。また、手のひら、足の裏などあまり日光が当たらない部分に、黒い色素を持つ斑点ができたら、これも要注意である。メラノーマという悪性のガンである場合があるので、すぐに診察を受けるようにお勧めする。
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【この辞典の書籍版説明】
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