ヘビ
【東京雑学研究会編】
【雑学大全】 生物の不思議 > 動物
足のないヘビと、足のあるトカゲは、どちらも爬虫類である。足の有無を別にすれば、ヘビとトカゲは近い系統にあり、形態上の類似点も多い。太古の昔、ヘビはトカゲから分かれて進化し、現在の姿になったと考えられている。
もともとあった手足がなくなったのだから、進化でなくて退化では? と思うかもしれない。だが、ヘビは進化に成功して、現在に至ったのである。
ヘビは、中生代ジュラ紀に、トカゲから分かれ始めたと考えられている。ヘビの化石で最も古いものが、スペインにある白亜紀初期の一億三五〇〇万年前の地層から出た、二個の椎骨である。さらに、もう少し後代の、一億三五〇〇~三〇〇〇万年前の地層からは、トカゲと共通する特徴を備えたヘビ、ラッパレントフィス・デフレンニの椎骨が、三個見つかっている。現代のヘビを代表する二大グループである、ボア類とサンゴパイプヘビ類は、白亜紀後期になって登場している。
白亜紀後期のヘビの化石は、現在生きているアリニウスというヘビに似た特徴がある。アリニウスは、パイプヘビ科の原始的なヘビで、半地中生活を送っており、後足の痕跡が残っている。
だが、これらのヘビの祖先については、完全な化石が残っていないので、全貌は不明のままである。重要な決め手になるのは頭骨なのだが、ヘビの骨格は、靭帯や腱、筋肉でつながっているだけなので、死後はすぐにバラバラになってしまい、手がかりにはなりにくい。
ヘビに足がなくなったのは、敵から逃れて、地中にもぐるためだったと思われる。中生代は、恐竜が繁栄を謳歌していた時代である。
トカゲ類は、争いを避ける性質があり、逃げ足の早さと保護色化する体色で、肉食恐竜から逃げ延びてきた。最も安全な場所は地中であり、そこにもぐるには、足のない細長い形が適している。そこで、足をなくす方向に進化し、ヘビになったのだろうと考えられている。
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【この辞典の書籍版説明】
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