風呂敷①
【東京雑学研究会編】
【雑学大全】 生活 > モノ
どんな形のものでも包むことができ、使わないときは小さく畳んでしまっておけるのが、便利な風呂敷。しかし、どうして「風呂に敷く」なんて名前になったのだろう。
布で荷物を包み、運ぶことは古くから行われていた。平安時代には、「ころもつつみ」「平包み」などと呼ばれていた布が、風呂敷の働きをしていたと考えられている。
「風呂敷」という名がうまれたのは、足利幕府の八代将軍、義政のときである。
義政が、諸大名を招いて茶の湯を催した際、新築の風呂に入れてもてなした。当時の風呂は蒸し風呂のようなもので、浴衣を着たまま入るのだが、大名たちが、浴衣のほかの脱いだ着物を間違えてはいけない。
そこで、義政は、わざわざ大名たちの家紋を染め抜いた袱紗をあつらえ、着物を包むのに使わせようとした。
ところが、一人の大名が、その袱紗を下に敷いて、くつろいでしまったのである。それが、茶の湯の作法だと、勘違いしてのことだった。しかも、それを見たほかの大名まで、右へならえでまねをした。以来、着物を包む布を「風呂敷」と呼ぶようになったのである。
江戸時代になると、銭湯があちこちにできて、庶民も入浴を楽しむようになった。それにつれて、脱いだ着物や濡れた浴衣を包む風呂敷も、普及したのである。
江戸時代も中期になると、浴衣をつけずに風呂に入る習慣が一般的になったし、銭湯には脱衣籠や脱衣棚ができた。そのため、「風呂で敷く」ために風呂敷を使う必要はなくなっていったのだが、物を包んで運ぶための風呂敷は、使われ続けたのである。
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