使い捨てカイロ
【東京雑学研究会編】
【雑学大全】 生活 > モノ
いったんもめば、燃料もないのに一二時間も温かいまま。しかも一〇〇円もしない使い捨てカイロは、冬には欠かせないという人も多いだろう。ところで、使い捨てカイロはどうして温かくなるのか?
実は、使い捨てカイロの熱は、化学でいうところの酸化熱である。酸化のうち、激しいものを燃焼、おだやかなものをさびというが、使い捨てカイロの場合は後者で、鉄がさびて発生する酸化熱を利用している。
メーカーによっていくらか違いはあるが、基本的に使い捨てカイロの中身は、鉄粉、塩化ナトリウム(塩)、活性炭、水分といったところだ。このうち水分は、保水剤である木粉などに含ませているものが多い。
鉄がさびて熱を出すのだから、空気に触れる部分を多くして酸化を速めた方が発熱量が増える。細かな鉄粉を使うのはそのためだ。
水や塩はさびやすくするために入れる。例えば、塩分と水分が多い海の近くで乗っていた車はさびやすいだろう。
そして吸着力の強い活性炭は、空気を多く取り入れる役割をする。
これらカイロの中身は紙など通気性のいい袋に入れられ、さらに空気を通さない袋に入れて密封されて売られている。
使うときに密封した袋から出せば、中身の鉄粉は空気と触れ合って酸素に反応し、すぐにさび始める。と同時に、発熱もはじまって温かくなっていく。
はじめにカイロをもむといいのは、中身に空気を多く混ぜ合わせることで酸化の速度を速めるためだ。こうしてさび始めたカイロは、すべての鉄粉が反応しきるまで、熱を出すことになる。
短時間だけ使い、また後で使う方法もある。できるだけ小さな密閉した容器に入れれば酸化は止まるから、熱は出ない。もう一度使うときには、また容器から出せば再び反応が始まって温かくなる。
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【この辞典の書籍版説明】
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