乳房
【東京雑学研究会編】
【雑学大全】 ヒトの不思議 > 男と女
人間の女性の豊かでふくよかな胸。子どもは、そのような母の胸に顔をうずめ、おっぱいを飲み、安心できるし、大人の男性にとっても、大いに魅力ある部分だ。自然の造形としても、その美しさが類まれなことは、ギリシアの昔から、絵画や彫刻などの芸術作品となって、多くの人々を感動させてきたことでも理解できる。
子どもに授乳するのが役割の乳房。人間以外の哺乳類のメスにももちろんそなわっている。しかし、腹部にちっちゃな乳首が並んでいるだけ。イヌやネコしかり、チンパンジーやゴリラのメスも大差はない。
妊娠して、赤ん坊が生まれる頃にふくらみ、授乳が終わる頃にはまたもとのように縮小する。
ところが、人間の乳房はどうだろう。思春期の頃からふくらみを増し、ふくよかになっていく。妊娠、出産、授乳期にさらにおおきくなることはあっても、縮小することはない。
四つ足で歩行する動物たちは、お尻に鼻を近づけてかぎあっているのを見てもわかるように、性器によって相手を確認する。発情期に紅潮したメスの生殖器とそれが発する匂い、臀部の筋肉のふくらみ。これらは、オスをひきつけ興奮させる、性のシンボルなのである。
ところが人間は、直立歩行を始め、顔を向き合わせて生活するようになった。もう目の前にあるのは、人類の女性の臀部の豊かなふくらみではない。
そこで、それに変わるものとして、豊かにふくらんだ乳房を目の高さに近いところに並べた。そうすることで、男性をひきつけるようになったという。女性の胸のふくらみの九〇%を占めるのは脂肪とのこと。授乳のためにぜひ必要ともいえないものをまとい、セックスアピールのために、装飾的に存在している乳房。
これは、れっきとした動物学者たちの言い分である。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全」東京雑学研究会 |
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“働きバチは1日6時間しか働かない”,“下手な医者をなぜ「ヤブ」と呼ぶのか?”,“『浦島太郎』のカメはオスかメスか?”……のような知的好奇心そそる雑学の集大成。なんと全1000項目!! |
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