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【東京雑学研究会編】

雑学大全生物の不思議 > 植物

竹の内部は空洞になっている。そこには一体何が入っているのか?
ロマンチックな人や子どもなら、すかさず「かぐや姫」と答えるところだろう。でも、もし本当にかぐや姫があの中に入っていたとすれば、さぞかし苦しかったに違いない。なにしろ、竹の中には二酸化炭素たっぷり充満しているのだから
竹の中は一見真空のようにも思える。節の中に空気が入ることはできそうもないからだ。でも、竹の茎の部分には、人間でいうところの血管と同じような働きをする維管束という組織があって、節の部分に維管束の接点がある。葉から取り込んだ空気や、根から吸い込んだ水分や養分は、維管束によって運ばれ、空気の一部が節のところにある接点から空洞の中に流れ込んでいるのである
つまり、空洞の中には空気と同じようなものが入っているわけで、真空でもなければ、特別なガスなどが充満しているわけでもない。
ただ、その成分比率は、普通の空気とはかなり違っている。空気は窒素が約七八%で、酸素が二一%、二酸化炭素が〇・〇三%などとなっているが、竹の中にある気体は、酸素が一四~一九%で、二酸化炭素が二~六%にも及んでいて、ほかが窒素や水蒸気などである。つまり、空気に比べるとかなり酸素が少なくて、二酸化炭素の割合が多くなっているのである
これは、維管束の中を運ばれているうちに、細胞内に吸収される分があるため。その結果、二酸化炭素の比率がかなり高くなり、酸素との比率は、人間が吐き出す息とほぼ同じぐらいなのだ。
これでは普通の人間が竹の中で存在するのは、かなり困難なこと。まあ、かぐや姫は月からやってきたお姫様なのだから、酸素が少なくても不自由はなかったのかもしれないが……。


東京書籍
「雑学大全」
JLogosID : 14820744


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編集: 東京雑学研究会
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発売日: 2004年8月
ISBN: 978-4487799473