台風②
【東京雑学研究会編】
【雑学大全】 自然 > 天候
気象衛星がとらえた台風の姿は、渦巻きの形をしているが、回転の向きには一定の法則がある。
天気予報で渦の方向を見てみると、日本に接近してくる台風は、すべて左巻きで、例外はないことに気がつくだろう。
北半球の台風はすべて左巻きであり、その反対に、南半球の台風はすべて右巻きである。竜巻の渦も同様で、北半球は左巻き、南半球は右巻きである。
これは、北半球と南半球では、地球の自転方向が違っているからである。
地球儀を回してみると、北半球は時計の針とは反対巻きに回っているのがわかるだろう。この運動速度に対し、「コリオリの力」が垂直に働いた結果、台風や竜巻は、左巻きになるのである。
「コリオリの力」とは、フランスの物理学者コリオリの名をとって名づけられたもので、地球の自転によるこの力は、地球上を飛ぶあらゆる物体に作用するし、海流にも現れる。
お風呂や洗面台の水を流すとき、お湯が減っていくにつれ、北半球では排水口に小さな左巻きの渦が、南半球では右巻きの渦ができるのも、このためだと言われてきた。
ところが、実際に試してみると、お風呂の排水口にできる渦は、左巻き右巻き、どちらもある。コリオリの力が影響を及ぼすのは、よほど大きな事象であり、お風呂の排水口などの小さな事象の場合は、わずかな床の傾きや、水が流れ出す方向などの条件によって、渦巻きの方向が左右されるのである。
ちなみに、人間のつむじの右巻き、左巻きも、コリオリの力には関係がない。
地球上で生活している私たちだが、地球が自転していることは、まず実感できないし、普段は意識にも上らない。
しかし、自然現象の中では、自転が生み出す巨大な力が、ちゃんと反映しているのである。
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「雑学大全」東京雑学研究会 |
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