相撲②
【東京雑学研究会編】
【雑学大全】 趣味 > スポーツ
相撲では勝負がスタートするときに行司が「はっけよい」と声をかける。その「はっけよい」とはどういう意味なのだろうか。
相撲の取り組みを進行させるのは、行司の仕事である。まずは、勝負スタートの号令をかけ、実際の勝敗の判定も行う。行司の仕事は、それだけではなく、番付表を書いたり、館内の放送で力士の紹介や勝敗、決まり手を知らせたりもする。行司も、力士と同様で、それぞれの相撲部屋に所属しており、そこで、裏方の仕事もしているのである。
この行司には、木村家と式守家があり、行司になる人はどちらかの名前を名乗ることになる。行司にもランクがあり、取り組みの経験によって階級は上がっていく。行司の階級は、つけている衣装に表れているのだ。
幕下以下を担当する行司は、袴が短く足は裸足のまま。軍配の房の色も緑か黒と定められている。十両以上になると、足袋をはくことができるようになる。三役以上となると、足袋に草履も許され、軍配の房の色は朱になる。最高位の行司になると、判定を誤った場合には切腹をするという心意気を表す、短刀を脇に差しているのである。
さて、勝負が始まる土俵で行司がかける掛け声は、実は「ハッキヨイ」なのである。「ハッキヨイ」は「発気揚揚」がつまった言葉で、気分を高めて全力をかけて勝負しようという意味である。これは、行司が力士に気合いを入れるために発する言葉なのだ。
そのほか、「はっ競えやっ」と声を掛けたのが「はっけよい」になったのだという説も残されている。
いずれにしても、相撲の緊迫感を高めるために大きな効果を発揮するかけ声といえよう。
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