スポーツドリンク
【東京雑学研究会編】
【雑学大全】 生活 > 飲み物
最近、上手な水分補給という点で注目を集め、人気上昇中のスポーツドリンク。別名はアイソトニック飲料という。スポーツで大汗をかく人ばかりではなく、お年寄りや子どもの脱水症状を防ぐにも有効ということで、病院関係者からもお勧めの飲料となっている。大量に携帯する必要のあるスポーツ愛好家などのために、水に溶かして飲むことができる粉末や顆粒タイプもある。
実際に飲んでみると、ほのかに甘みがあり、ジュースよりはさっぱりした味である。一体何が溶けていて、水とどう違うのだろう?
その前に、生物の細胞が水を吸収するメカニズムを知らねばならない。細胞膜の性質の一つに、水は通すがそれ以外の物質は通さない「半透性」という性質がある。また、細胞はいろんな物質を溶かし込んでいるので、ある「濃さ」を持っている。したがって、細胞を細胞内の液より薄い液の中に入れると、半透性の細胞膜を通って、水が細胞内に移動する。この移動させる力を「浸透圧」と呼んでいる。
激しいスポーツで発汗が多いとき、あるいは病気で大量の水分が必要なとき、何をどのように摂れば良いのか? 真水を飲めば、浸透圧により一時的には早く吸収されるが、血液も水で薄くなり、浸透圧が急に下がり始める。こうなると、一定の浸透圧を保とうとして、脳が「水を飲むな」という指令を出す。真水を一気にたくさん飲めないのはこのためである。
こんな場合、真水より血液の浸透圧に近い液体を飲めば、穏やかに大量の水分を吸収することができる。市販のスポーツドリンクは、ナトリウム、カリウム、マグネシウムなどの塩類と水溶性ビタミン、クエン酸、グルコースなどが加えられ、人間の体液とほぼ同じ浸透圧を持つように作られた「等張液」なのである。従って、身体にいっそう有効で、やさしい飲み物というわけである。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全」東京雑学研究会 |
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